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アイデア

アイデアは何もないところにある日突然生まれてくる。

そんなことはありません。

 

ずっと考えて、いつも頭の片隅に課題を持ってああでもない、こうでもないと知恵を絞り続ける日々を繰り返しながら、ある時ふっと気を抜いた瞬間に舞い降りてきます。

 

気を抜ける環境と言うのは誰もが大体同じで、お風呂、トイレ、布団の中、乗り物の中などが多いようです。

私の場合はお風呂が一番多くて、これまでの課題が吹っ飛ぶようなアイデアが浮かんだ時には大きな声を上げてしまいます。

 

私のリールはラチェットを固定するネジを表面に露出させないための構造をずっと考えておりましたがこれもお風呂で浮かんだアイデアです。

 

まず、ラチェット音を奏でる部分はマイクロプランジャを使用しています。マイクロプランジャをドーナツ状にギア部分がくり抜かれた形状のラチェット部品の固定しており、そこに位置決めピンを圧入してラチェット部品を構成しています。

 

このラチェット部品はフェイスプレートの内側に座グリ穴を設けてこの座グリ穴に位置決めピンが噛み込んで固定されるような構成です。

位置決めピンと座グリ穴の公差を調整して、ラチェット部品がギアに対して片当たりせずに、セルフアライメントさせるようになっています。

 

この構成にすることで、リール表面にネジ類は露出せず、各部品の寸法公差の積み重ねからくる片当たりを解消させることができます。

 

課題を解決させることができ、それが世の中になければ特許申請することが可能です。

と言っても権利化するには数十万の費用が掛かるので個人で出願するのはなかなかハードルが高いですが......。

 

最近、会社勤めの時に出願した特許が権利化され、同時に海外出願もなされたとのことで報奨金が振り込まれるとの案内がありました。

 

普通の会社では特許アイデアを思い付いた時点で特許事務所と面談して概要を説明すると特許事務所が明細書を作成してくれるのですが、以前の会社の所属先は研究所で、特許出すのは当たり前、明細書も自分で作成することになっており、随分と鍛えられたような気がします。

A4で50枚以上の文章や、図面を仕事の合間に作成するってとても大変でしたよ。

 

実際に社内実施または海外の関係会社で使用されると社内実施報奨金が貰えるんですが、さて、どうなることやら!