私の釣りのスタイルは、源流志向のためかどちらかといえば魚を見つけて、出来るだけ魚に近づいてピンポイントにフライを打ち込むスタイルが好きです。
距離にして10y以下が大半で、フライラインが数y程度しかロッドティップから出ていないため、硬めのロッドではうまくライン荷重を感じられず、ロッドの復元力をうまく利用できない効率の悪い釣りになってしまいます。
ショートキャストでもロッドの自重による復元力を利用してライン荷重を感じながら釣りが出来るロッドが私の好みのロッドとなります。
このアクションを作り出すにはスローテーパーのほうがよく、ティップは細すぎないほうがショートキャストには向いているようです。
私の作製するバンブーロッドはショートキャストしやすい!
これをコンセプトにしているロッドが ”Ballad”です。
ショートキャストでもよく曲がるロッドは強く振ると曲がりすぎるので、どちらかと言えば上級者向きのロッドになります。
柔らかいロッドはフライラインのターンオーバーを待ちきれずに次の動作に移行してしまい、ライン負荷を感じられないことがあります。
特にカーボンロッドから急にBalladに持ち替えるとその傾向が顕著に現れますが、ゆっくりとロッドを振って、じっくりとターンオーバーを待って次のストロークへと移行すれば、バラードのリズムの心地よさが判っていただけると思います。
あくまでもジェントルにロッド操作する大人の釣りにピッタリです。
もう少し張りを持たせ、ドライフライ向きのアクションにしたのが ”Roots”です。このロッドは女竹を使用しております。
女竹はトンキンに比べパワーファイバーが細く密集しており、軽くて粘り強いアクションになります。
一日中振っても疲れることなく、軽快にキャストを続けることができます。
私の生まれ育った九州の田舎で採集した女竹を使用しております。
小さい頃はこの竹に釣り糸を結んで川でハヤを釣って遊んでおり、私の釣りの原点であることからこの女竹で作り上げたロッドを”Roots"と命名しております。