グラスロッドのリペアを開始しております。ロッド自体の名前等は伏せますが、1970年代のグラスロッドです。
ラッピングスレッドを外すと太めのスネークガイドが出てきました。
巻き直しのラッピングスレッドはカラープリザーバー処理されたスレッドなのでスネークガイドのフット部分が透けないため、段差さえなければ問題ないのですが、
自分としてはこのままラッピングすることは許されないので、写真下のように成形しました。
有名メーカーのロッドなのですが、やはり大量生産するためにガイドフットの処理などはそれなりの状態になっていたようです。
前回も書きましたが、ガイドフットの処理状態でビルダーの性格が判ります。
これは異なるグラスロッドのブランクです。
フェルールの口割れ防止にメタルパーツが装着されています。
ブランクはブラウンなので黒染めするのですが、装着されているメタルパーツの表面状態がイマイチなのです。
写真上から、初期状態 研磨後の状態、黒染め後の状態です。
まず、メタルパーツの直近にマスキングテープを巻き、旋盤に咥えて研磨します。
#600⇒#800⇒#1000⇒#1500⇒#2000⇒白棒⇒青棒⇒仕上げ研磨剤の順に研磨し黒染め
これもこうして説明しなければ、単に黒染めしただけのように見えますが、それなりのプロセスを経ています。
でも、だからと言って研磨代を請求することもなく、誰にも気付かれないメタルパーツとなるのです。
時間の掛かることばかりですが、この小さなこだわりがいつの日か花開くことを信じて今日も黙々と作業しております。