リールのフルカバーについては、アルミ製のフルカバー、カリン製のフルカバー、真鍮製のフルカバーと、材料またはデザインによる違いを確認してきました。
デザインでは真鍮製のフルカバーでは真鍮の比重の関係でやむなく肉抜き構造を採用しましたが、アルミ製の場合は、重量的には問題ないのでデザイン性重視でトライすることが可能です。
今回は従来のアルミフルカバーの不必要部分の肉抜き兼意匠性を高めるためにデザインしてみました。
写真奥のものがそうなんですがピラー間に開口部分を設けております。
この開口部形状も案外悩んだんですが、単なる丸穴では簡単すぎて面白みがないのでピラー部分の形状を反映したような開口部形状にしてみました。
で、実際に加工してみたのですが、結構時間が掛かって、従来のアルミのフルカバーの倍の時間が掛かってしまいました。
これは真鍮製のフルカバーよりも時間が掛かります。
材料費は真鍮のほうが高価なんですが加工時間が長いとそちらのほうがきついです。
重量は約16gで、前回のアルミのフルカバー26gより10gの軽量化となりました。
ちなみに、真鍮製の肉抜きフルカバーをアルミで加工した場合の重量は約10g程度になる計算です。
9か所の開口部を設けましたが、開口部の内壁部は研磨できないのと、加工によりバリやカエリが発生するので加工後にも手間がかかってしまいます。
でも開口部があるだけでこれまた雰囲気がガラリと変わってしまうのです。
やはり見た目の軽やかさが際立ちます。
材料、デザインの違いで雰囲気はそれぞれ異なります。
次なるテーマは、コストダウンです。
コストダウンには2つあります。材料費のコストダウンと加工時間削減によるコストダウン。
材料費については、樹脂での可能性の追求や、フルカバーではなく一部分のカバーにするなどこれも奥が深そうです。
加工時間に関しては快削材料にすることによる加工スピードアップや切り込み量アップで時短を目指したり、一部カバーにすることで加工長さの短縮による時短も目指せそうです。
まだまだ色んなアイデアが沸き上がっています。