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グリップ交換

とあるメーカーのカーボンロッドのグリップ交換を行いました。

通常は自分でロッドビルディングを行うので、グリップを接着、成形した後にガイド類をラッピングするので、グリップの成形時には旋盤にロッドをチャックするのに何も問題がないのですが、組み立てられたロッドのグリップ交換になるとすでにガイド類がついている状態でグリップ交換となるので、旋盤への固定方法が問題となります。

すなわち、ストリッピングガイド等が干渉して旋盤にチャック出来なかったりするのです。

旋盤の主軸にストリッピングガイドが干渉してしまう場合は、グリップエンド側を主軸にチャックして加工するのですが、ロッドが長いので心押台で固定できないので固定振れ止めを利用したり、固定振れ止めもどきを自作して使用しております。

この固定振れ止めもどきは利用価値が高いので紹介いたします。

固定振れ止めもどきは写真のようなもので、ベアリングを挟み込んで固定したものです。

ベアリングの穴中心と旋盤の主軸の中心高さを合わせるのが肝です。

この固定振れ止めもどきはもう20年ほど前に作製したもので、ベアリングの内径は15mmになっています。

 

残念なことに内径15mmにはロッドに固定されたストリッピングガイドが通りません。

ストリッピングガイド以外のガイドは通りましたのでストリッピングガイドギリギリでロッドを固定することにしました。

新たに作製するときは内径20mm程度にすれば問題ないと思います。

ストリッピングガイド直近のブランク径は約7.3mmでした.

 

さて、この固定振れ止めもどきにロッドを固定する方法ですが、ベアリング内径15mmでブランク径7.3mmなので、ブランクを固定してベアリングの内径に固定するアダプタを作ることにしました。

 

アダプタと言っても簡単です。まずブランク径7.3mmのドリルで木材に穴加工を行います。

木材の長さは15mm程度です。

次にこの木材の外径をテーパー加工します。

テーパーはΦ14.5mm~15.5mmになるようにします。

最後にこのアダプタを半分に切断したら完成です。

 

ロッドを固定するときは、まずブランクのストリッピングガイド直近までベアリングの内径に通します。

次にアダプタをブランクに被せてベアリングの穴に挿入して固定します。

アダプタの固定はアダプタのテーパーとブランクのテーパー同じ方向のテーパーになるように合わせてベアリングに挿入するのが良いと思います。

その後バットエンド部分を旋盤の主軸に固定して位置確認をしたのちに固定振れ止めもどきをクランプ固定して準備完了です。

旋盤を回してグリップ成形していきます。

 

主軸と固定振れ止めもどきまでの距離が長い場合はバイトによるグリップの加工ではブランクが撓んで加工しにくいので刃物加工はせず、ラッピングペーパー等で加工したほうがブランクが撓まずに加工が可能です。

と言うことで無事にグリップ成形が終了いたしました。

旋盤の固定振れ止めにベアリングを固定して、上述の2分割アダプタを使用してブランクを固定すれば主軸と固定振れ止めまでの距離が短いためバイトによる旋削加工が可能になります。

 

私の次回からは旋削加工できるようにベアリングの調達をしたいと思います。

内径20mm以上のベアリングを確保したら、グリップ交換&成形が簡単になるという話題でした。