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レイズドピラーウォッチ

現行のレイズドピラーリール”Buddy"の兄貴分として少しサイズの大きなリールを長い事試作しています。

最初はクリックタイプのドラグシステムを搭載していたのですが、気に入らず、ディスクタイプに変更し、今も色んな所で悩み続けています。

 

話は変わってこの試作リールのフレーム形状に関してはサイズを変更しただけでそれ以外は大きな変更がなかったのですが、実際に加工して組み立ててみると設計ミスに気づきました。

 

レイズドピラーリールの最大の特徴であるピラーの突起部分のネジ穴の座グリ深さに間違いがあったのです。

通常よりも0.8mmほど座グリ深さが深くなってしまいました。

単に試作して動作確認する分には問題ないのでフェイスプレートを組み込んで試作検討用に流用したのですが.....。

 

この形状に加工するまでには結構な時間が掛かります。また、研磨作業は機械加工と同じぐらいの時間が掛かるのです。

で、時間をかけて研磨した後に座グリ深さミスに気付いた時の何ともやるせない空気感はなかなかのものでした。

 

試作の役目を終えた失敗作のフレームは部屋の隅の方に追いやられておりましたが、2020年になり、つるやさんのハンドクラフト展が近づくにつれ、何か面白いものが作れないかと毎年考えるようになり、このフレームを流用して、置き時計のフレームに加工してみようと考えました。

 

思いが決まれば後は加工するだけなので、図面を引いて加工プログラムを作って早速加工です。

2mm径のエンドミルで数分加工すれば時計フレームの完成です。

ちなみに時計の外径は51mm程度です。

時計をフレームに開けた穴部分に押し込むとなかなかのジャストフィット!

接着しなくても良さげな精度でのはめ合いとなりました。

フレームとフェイスプレートとの凹凸、フェイスプレートと時計との凹凸が何とも言えずいい雰囲気です。

 

しかしながら前回加工して座グリ深さを間違えたフレームはあと3個あるのです(泣)

もう1個ぐらい加工してみて、残りのフレームを置時計フレームにするかどうかはハンドクラフト展での反響を確認してからにしたいと思います。

 

それよりも早く兄貴分のリールを完成させなければならないんですが、注文しているパーツがなかなか入って来ないのでこんな状況に陥っております。