バンブーロッドを作っていると、たまには少し変わったロッドを作りたくなります。
このロッドも少し前に組み立てたロッドなのですが、SWロッドを作ってみたくて見よう見まねで加工してみました。
8'06"#6 3PCで、アクション的にはティップが少し柔らかすぎる感じもするのですが、初めてのロッドなのでこんなもんなのでしょう。
当時はラッピングスレッドを買いあさっている時期で、色んなメーカーに問い合わせをして手に入れたシルクスレッドで巻きたくてしょうがない状態でした。
ブランクが太いほどラッピングは難しく、スレッドが細いほど難しくなるのです。
市販の#50程度のシルクのミシン糸等をラッピングに使用している方も多いようですが、個人的には太すぎて、繊細な雰囲気が出ないので、私は使用しておりません。
ゴッサマーや、キロワールドのスーパーシルクスレッドが気持ちよく巻くことができます。
あとはシルクのミシン糸で#100のものは使用していますが、メーカーによっては巻き方向がまちまちで少し戸惑うことがあります。
フックキーパーは使用しないという人も多いのですが、私はフックキーパーを含めたグリップ付近のラッピングデザインが好きなので、フックキーパーは基本使用しています。
フックキーパーのリング部分にもスレッドを巻き付けるテクニックと言うか、ラッピングの繊細さと言うか緻密さを演出するのにフックキーパーは欠かせないアイテムなのです。
最近は老眼で、結構きつめの老眼鏡を掛けて、拡大鏡を併用しながらのラッピングなので、眼精疲労がすさまじく、肩もバキバキになってしまいます。
あと、これは私だけかもしれないのですが、ラッピング中は息が止まってしまうのです。
1か所のラッピングが終わったら呼吸を整え、休憩を入れないと集中力が持続しないので、ラッピングには結構時間が掛かりますが、嫌いな作業ではなく、むしろ好きかも!てな感じです。
このロッドは初めて使用するシルクスレッドだったので、明るめの色合いでラッピングしてみることにしました。
オレンジを基調にして、イエローやグリーンをあしらってみました。
トリムや飾り巻きの細い部分はスレッド3巻きで巻き留めています。
4巻きと3巻きでは、繊細さが全然異なるのです。
3巻きでうまく巻き留める練習を昔さんざんやったことを思い出します。
ラッピングが終わったらエポキシを2倍に希釈してスレッドに塗布して、2液性のウレタンで仕上げます
ウレタンは希釈しません。
ウレタンは2回塗布で、1回目の塗布が硬化した後にスレッドの毛羽立ちによる塗布面の荒れた部分をデザインナイフで整えた後に2回目のウレタンを塗布します。
このデザインナイフの工程をするかしないかで仕上がりは大きく変わってきます。ここまでかなりの時間を費やして組み上げてラッピングしてきたので、ここで焦らずに人手間かけることで仕上がりは見違えるようになります。
スレッドのコーティングが終われば、ブランク全体のコーティングです。
これもディッピング方式と刷毛塗り方式等に分類されますが、私のモットーは選択肢のあるプロセスならシンプルなプロセスを採用する!
以上から刷毛塗りを採用しています。
ロッドモーターで回転させながら刷毛でウレタンニスを塗布していきます。
コツは刷毛を寝かせて塗布することと塗布幅を10cm程度に区切って塗布すること、後は十分な効果時間を与えることです。
何度か塗布した後に埃などが付着して塗布面が乱れている部分を水研ぎして最終ウレタンを塗布したら完成です。
今まであまり使用しなかった色使いでしたが、出来上がってみると明るさのあるいい雰囲気になりました。