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リールのこだわり

私はレイズドピラー(Raised Pillar)タイプのリールが好きなので、私の加工するリールの大半はこのタイプです。

また、片持ちリールよりも両軸タイプのリールの方が雰囲気があって好きなのです。

 

レイズドピラー(リールのフレーム同士をつなぐ柱部分が隆起した形状)のリールは余分な部分を排除した効率的な形状でありながら、その形状がもたらす曲線美が何ともセクシーだと感じています。

 

私はこの形状に魅了され、日本の渓流で使用するロッドにフィットする小型のレイズドピラーリールが欲しくて、脱サラして職業訓練校に通って加工の勉強してやっと今の状態までたどり着いたのです。

 

ですから初めて作ったリールがレイズドピラーリールだったわけです。

初めて作るならバーミンガムタイプのリールの方が簡単に加工できるのに.....。

 

 

これは”Blister”と名付けたリールで、左がレイズドピラーリールタイプ、右がバーミンガムタイプです。

このリールの外径サイズ、幅は同じで、ライン容量も同じです。

 

でも、左のレイズドピラータイプの方が小さく見えますよね!

これ、これなんです、不必要な部分を排除することによってデザインの意匠性が高まったのです。

通常であれば不必要な部分を排除して合理的にすると意匠性が害され、つまらないものになることが多いのですが、このリールに関しては全く逆で、不必要な部分を排除することによってデザインが研ぎ澄まされ、シンプルでありながらデザインが主張するようになったのです。

そういうところが好きで、わざわざ加工しにくいレイズドピラータープの両軸リールを作ったのです。

 

ちなみにこの”Blister”リールはレイズドピラータイプとバーミンガムタイプの2形状でミラー長さが3種類の展開をしています。

特に一番ピラー幅の小さいモデルは、ライン容量としては、DT3Fのハーフ+20y程度の小さいリールとなっており、最近はやりの#1とか#0とかの超低番手ロッド用にピッタリです。

 

また、パフォレーションはバンブーロッドの断面形状を意識したヘキサゴンタイプで、スプールも同様のパフォレーションを形成していますので、シルクラインとも相性ばっちりです。

 

話を少し戻して、私が加工しているクラッシックタイプのレイズドピラータイプのリールの特徴ですが、

設計段階で2つだけ意識して設計を行いました。

1)外形形状はよりシンプルに!

2)ラチェット音は主張しないこと!

 

この2点に配慮して設計しました。

まず1)については、フェイスプレートのエボナイトの曲線美を活かすために余計なネジ類がフェイスプレートに露出しないように配慮しました。

一般的なレイズドピラーリールはクリックの爪やバネ部分を固定するためのネジがフェイスプレートに露出していますが、そのネジ類が露出しないような構造にしました。

 

2)については、釣り場についてロッドにリールをセットして釣りを開始する際に、リールのクリック音が静寂を打ち破るのがあまり好きではないからです。

このクリック音によって賢いトラウトは逃げるという話もあるようです。

あくまでもクリックを感じられれば良いだけで、音が主張しすぎることが無いように配慮しました。

 

後ついでに言うなら、ノッチ数ハンドル1回転で何回クリック音がするか!

ですが、多ければクリック音がうるさく、少なければバックラシュが多くなるので悩ましい所なのですが、クリック音が静かなので36ノッチに設定しております

 

主張しないクリック音を是非現物でお楽しみください。

このレイズドピラーリールは生涯私の相棒になると思い、「Buddy」と名付けました。

 

Buddyリールには3種類のフレーム材

ジュラルミン

ブラス

ステンレス

 

4種類のフェイスプレート材

エボナイト

マーブルエボナイト

ジュラルミンポリッシュ

花梨

が準備されております。

また、ドラグ機構は装備されていないため、右巻き、左巻き両方に対応可能です。

ただし、右巻きにする場合はS字ハンドルの向きが気持ち悪くなるので、S字ハンドルは反転タイプを準備いたします。

 

ハンドルノブについては、基本はアイポリーのノブ(鹿角製)ですが、お好みにより様々な材料で対応させていただきます。

 

リールフットはジュラルミン、ブラス、ニッケルシルバーの3種類から選定頂けます。また、この3種類の材料でリブフット(wave type)にも対応いたします。

お好みの組み合わせで、自分好みの1台をいかがですか?

 

ピラーのネジ以外は自分で加工しておりますので、色んな要望に対応できると思います。

例えば125gのリールにしてほしいと言う要望にも対応可能です。

 

大量生産しているメーカーにはできない事でも弱小メーカーだからこそ出来ることもございます。

わがままオーダー大歓迎です。