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スプール

Retro Rod&Reelの開発商品群は結構多いと思います。

色々なものを加工して、設計や加工のスキルアップをしたいのが目的です。

常日頃から何か面白いもの作れないか?と考えては試作を繰り返し、日の目を見ないモノや、闇に葬り去ったものも少なくありません。

 

最近はマグネットリリーサーの加工にはまっており、それ以前はフルーガーのメダリストのリールフットやスタッカーなどを加工しておりました。

 

リールに関しては、現在フィールドテストのために北海道に旅立っている高番手のリールを何個か追加で作ろうと考え、加工をスタートさせました。

リールのフレームは前回加工した際に予備として加工した分がありました。

リールフットは、メダリストのリールフット加工時についでに加工しておいたので大丈夫です。

と言うことで、スプールの加工を開始しました。

 

スプールはφ65mmのジュラルミンで厚さが6mmのものを購入して加工していきます。

購入時は帯鋸盤で切断された状態なので、まずは円板の両端面を加工して厚みを5.3mmにします。

 

その後、センター穴加工を行ない、センター穴基準で外形加工を行ないφ62.5mmにします。

 

いつも思うのですが、加工するときに何個単位で加工するかで悩みます。

数個だけだとまたすぐに同じ加工を行なわなければならないので数を増やしたいのですが、数を増やした場合は同じ加工を繰り返すので、作業的に面白くないんです。

 

今回は5セット分を加工しようと決めて加工を進めています。

φ62.5mm t=5.3mmに加工するまでが準備加工になります。

ここまでは単純作業なのですが、結構好きな作業です。

 

 

 

ここからはNCプログラム加工でスプールの凹面の加工を行ないます。

センター穴基準で加工治具にセットしてプログラム加工していきます。

プログラム加工と言えば、スイッチを押したら後は自動で加工が終わるまで何もしなくてもいいように思われますが、実際はキリコが主軸や加工治具に巻き付かないように旋盤に張り付いて、キリコを取り除く作業を行わなくてはいけません。

 

その作業は凸面側の作業でも同様に旋盤に張り付いて見ていないといけないので自動加工ではあるのですが、楽な作業ではないのです。

 

NC加工なので同じ形状のものを作るには適しています。

 

凸面加工まで終了したら、通常のリールであれば加工終了なのですが、私のリールの場合はここから研磨作業が始まります。

加工時間よりも研磨時間の方が長くなるので、コストに直結する作業なのですが、やはり綺麗なリールを作りたいという思うが強く、研磨加工を行なってしまいます。

 

この研磨加工が終わったら、センター穴を広げて、軸受を埋め込む作業と進んでいくのですが、

その前に研磨加工したスプールを洗浄して乾燥させました。

 

乾燥させている間に、今までに加工しておいたフレームを確認しておこうとパーツ保管している棚を確認しました。

「あれ、なんかスプールがある!」 Buddyリール用かな? いや違う、Bros.用のスプールや!

 

完全に失念しておりましたが、Bros.用のスプールの加工済みのストックがありました。

しかも既に研磨加工も、センター穴を広げる加工も終了しているものが5セット分出てきたのです。

 

確かにかなり以前に加工したものであるのは確かなのですが、加工したかどうかすら失念しているとは!

それに気づかず、端面加工から丸2日がかりで作業しておりました。

 

今回加工した分はストックしておけばいいので無駄にはならないのですが、気付かない自分が.....。

 

そんなこんなで#5用のリールの加工を進め始めています。

裏面の飾りねじを回すことでドラグ調整を行うことができるリールです。

デザイン時に意識したシンプル形状を維持したドラグ機構付きのリールです。