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Magnet Releaser

部材が無くなって加工をSTOPしていたMagnet Releaserの加工を開始しました。

 

部材が無くなれば直ぐに注文すればよいのですが、それなりの送料がかかるものなので、他の部材と併せて注文するため、少し入手までに時間が掛かってしまいました。

 

真鍮は加工しやすい材料ではあるのですが、加工の際にツールマークが入りやすく、綺麗に加工するのが難しい材料でもあります。

まず、φ15mmの真鍮丸棒を加工していきます。この加工は右勝手バイトでCNCプログラム加工して、突っ切り加工すれば簡単に作製できます。

 

この後、マグネットを埋め込む部分の加工を行ない、マグネットをねじ止めするためのネジ穴を加工し、最後にリングを通す穴部を加工すれば真鍮部材の加工は終了です。

 

いつも思うのですが、加工する数量はどうやって決めるのがいいのか?結構悩むのです。

少量加工すると、すぐにまた同様な加工をする必要が出てきます。

大量に加工すると同じ作業を繰り返し行う必要があり、単調な作業に飽きてくるのです。

 

私は、1日で機械加工が終わる数量単位での加工を行なうことが多いです。

と言うのは、機械加工の場合、工具セッティングを行い、機械座標を設定するんですが、同じようにセッティングしても加工したもののサイズが若干違ってしまうことがあるのです。

なので、一度セッティングしたらその日のうちに加工を終了させ、加工物のサイズバラツキを無くしたいからなのです。

 

加工バラツキは大きくはないのですが、細かい精度を要求される加工では、そのバラツキが許されないものもあるからなのです。

 

と言うことで、今回は20数個の単位での加工を行ないました。

で、プログラム加工中も真鍮材の場合はキリコが主軸に巻き付く等の問題がないので、色々と考え事ができるのですが、今回は加工しながら、リールのラインナップとマグネットリリーサーを合わせると面白いかも!

と思ったのでした。

まずはエボナイトです。

Retro Rod&Reelの一番オーソドックスなモデルであるBuddy ebonite

エボナイトの漆黒は他の材料ではなかなか表現できない色合いであり、万年筆等に使用されている高級感を持つ輝きはうっとりとしてしまいます。

 

このエボナイトと真鍮のコラボしたマグネットリリーサーです。

マグネットサイズはφ10mmですので、渓流サイズのランディングネットに最適です。

ちなみにマグネットリリーサーのリングを通す部分の穴径は2.5mmとなっております。

 

エボナイトは研磨の難しい材料であり、金属材料であれば、ピカールで磨けばピカピカのイメージがありますが、エボナイトはピカールで磨いてもあまり輝きません。

 

ピカールは#4000程度の砥粒径であり、エボナイトの研磨は更の細かな砥粒での研磨が必要です。

次はBuddy Bi-Metalモデルです。

Buddy Bi-Metalはフェイスプレートはジュラルミンですが、このマグネットリリーサーはジュラルミンではなく、ニッケルシルバーです。

 

真鍮のゴールドと、ニッケルシルバーのコラボはみんな大好きな組み合わせだと思うのです。

 

ハンドルノブとの色合いともマッチしております。

真鍮とニッケルシルバーとの組み合わせは比重的に重くなりすぎるのでは?と思われる方も多いのではと思います。

重量は、31g このサイズとしては重く感じますが、ベストの背中の部分に30gをぶら下げても重くは感じないでしょう。

 

ということで、Bi-Metal マグネットリリーサーの完成です。

当然ながらニッケルシルバーをジュラルミンにすると少し重量を抑えることも出来ます。

Buddy 花梨モデルに合わせるならやはり花梨です。

本来ならBuddy Brass 花梨モデルと一番マッチするのですが、このモデルは現在加工中で、完成品が手元になかったのです。

 

花梨のマグネットリリーサーは今までたくさん加工してきましたが、やはり花梨バールの幾何学模様は何とも言えない魅力がございます。

 

バンブーロッドの花梨のリールシート、ランディングネットの花梨のグリップ、リールのフェイスプレートの花梨、ハンドルノブの花梨、フライボックスの花梨、Wスタッカーの花梨、ビクトリノックスの花梨、マグネットリリーサーの花梨 兎にも角にも花梨、花梨万歳なのです、花梨がいいのです。

最後に鹿角のマグネットリリーサーです。

これは残念ながらリールとコラボすることができませんでしたが、Buddyリールのハンドルは鹿角が標準であることを付け加えておきます。

 

鹿角の場合、鹿角の白い部分(鹿角の凹凸の凸部)と黒い部分(鹿角の凹凸の凹部分)とのコラボが美しいのですが、円筒加工するとこの黒い部分まで研磨されてしまうと白くなってしまうので、サイズの合う鹿角を見つけるのが難しいのですが、一部にでもこの黒い部分が入ることで鹿角と一目で認識され、純白ではない鹿角独特のアイボリー色をお楽しみいただくことができます。

 

ランディングネットのグリップ部分に鹿角を使用している方も多いようで、そんなランディングネットを使用している方の是非とも使っていただきたいです。

 

ということで、色んなマグネットリリーサーも加工可能です。