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ハーディーリール

最近ハーディーのリールの修理依頼が結構あります。

ハンドルノブの交換やリールフットの厚みを薄くしてほしい等の依頼がほとんどです。

 

ハンドルノブの交換は、お気に入りのウッドで加工して欲しいとか、象牙のようなアイボリーのノブに交換して欲しいという依頼が多いです。

 

写真のようにハーディーのノブはネジ頭に工具が収まる部分が形成されていないので、自分でメンテナンスしようと思ってもノブを取り外すことができません。

 

実際にどのように取り外しているかについて解説したいと思います。

一番簡単なのはノブのネジ頭にリューター等でスリワリ加工(マイナスネジの頭部分)を加工して、マイナスドライバーで取り外すことが考えられます。

ノブのネジはネジロックを塗布されて締め込まれているので、取り外す際にはライターやバーナーでネジ部分を加熱してから取り外すと比較的簡単に取り外すことが可能です。

 

ネジ頭部分にスリワリ加工を行なう際にノブ部分を傷つけてしまう可能性があるので、私は別な方法でノブ部分をキズ付けないように取り外すようにしています。

 

まず、ノブのネジの閉め込まれたプレートの反対側のネジ部分の中心にセンタードリルでモミ加工を行ないます。

続いてφ1.6mmのドリル加工を行ないます。

加工深さは使用するネジにもよりますが、5mm程度で良いと思います。

 

そして、このドリル穴にM2.5mmのタップ加工を行ないます。

上述したようにネジ部分をライターまたはバーナーで炙ってネジロックの樹脂を炭化させます。

次にM2.5mmのネジをタップ加工した部分にねじ込みます。

反対側からネジをねじ込むということは、表面からはネジを緩めている方向に作用するので、ネジが外れます。

 

この方法で取り外すと、ノブをキズ付けることなく取り外すことが可能です。

 

新しく取り付けるネジはネジ頭にスリワリ加工を行なっているため、グリスアップやメンテ時に取り外すことが可能になります。

 

ついでにハーディーリールの場合は、ノブ部分の座布団を交換すると雰囲気が変わるのでお勧めです。

ハーディーリールのノブ用ネジのネジサイズは1/8インチ(No.5)で、約3.1mmになっておりっますので、覚えておくと良いと思います。

 

象牙の印鑑を購入して、この印鑑でノブ加工して欲しいとのご要望もありました。

通常は鹿角を流用してアイボリーのノブを加工しております。