
フッ素グリース用フロータントケースが完成いたしました。
何度となく試作を重ね、何とか形になりました。
前回のブログで、D型ヒンジ接着まで報告させてもらいましたが、その後、落下防止用の穴を加工しました。
この穴加工部分の厚さは約4mmあるので、強度的には問題ないと思うのですが、ウォールナットに穴加工しただけでは少しだけ不安がありましたので穴加工部分に真鍮のパイプを接着して、補強いたしました。
真鍮パイプは外径2.5mm、内径2.0mmと言うもので、肉厚が0.25mmなのです。
このパイプを4mm長さに切断するために旋盤にチャックして、突っ切りバイトで突っ切ると、見事にパイプ自体が変形し、切断できない状態になりました。
パイプ自体の剛性がないので、外径2mmの真鍮棒をパイプに中に挿入した状態で突っ切り加工すると突っ切りは出来るのですが、やはり最後にバイトが食い込んで少し変形するようです。
変形部分にφ2mmのドリルを挿入して外側をラジペンで何度も押さえて変形部分を修正して接着を行いました。
あとはコーティングとマグネット接着のボディーとカバーの接続です。

コーティングは1液性ウレタンの拭き塗りを行いました。
木肌を活かしたいので、あまり厚みが付かないように、拭き塗りにとどめています。
マグネットはφ4mm厚さ1.5mmのものを接着しています。
ボディーとカバーの接続は真鍮棒を差し込んでいます。
パイプに突っ切りに使用したφ2mmの真鍮棒を加工して取り付けました。
最後にOリングを嵌め込んで完成です。
このフロータントケースの特徴はなんと言ってもD型ヒンジを採用したところではないでしょうか?
金属製ヒンジではサイズ的に制約があって、D型ヒンジに変更ししましたが、このボディー材と同じウォールナットで加工したD型ヒンジにすることで一体感と言うか、デザインの一部として見せる構成にできたのではないかと考えています。
ヒンジのためには5個のD型ヒンジを加工して接着する必要があり、部品点数の増加、加工時間の増加となってしまいました。金属製ヒンジ使用時よりもおそらく数百円程度コストアップしている状態になってしまいましたが、この手の込んだフロータントケースがいい!と言っていただけるお客さんに届けばいいなあと思っています。
今回先行4個と現在追加4個の加工を行なっています。
5個程度はつるや釣具店さんのWeb Shop用に送付予定にしております。
それ以外はRetro Rod&Reelで販売予定です。
価格は3100円(税抜)を予定しております。送料は定形外郵便120円を予定しております。
このHP内のWeb Shopはまだ工事中で、機能しておりません。
購入されたい場合はCONTACTからメールいただくか、各種SNSにてその旨をご連絡いただければ対応いたします。