オーバルタイプのリールシートフィラーを作製しています。
リールシートフィラーとしては、他にフィンガーネイルがありますが、個人的にはオーバルタイプが好みです。
理由としては、バンブーロッドは6角形のエッジの利いた形状ですが、グリップから下部分は円筒状であったり丸みを帯びていたほうがバランスがいいように感じること。
あとはオーバルタイプの方がコーティングがやりやすい事です。
フィンガーネイル加工では溝のエッジ部分にコーティング剤が溜まりやすく、均一にコーティングすることが難しいと感じています。
インプリグネーション加工するならフィンガーネイルでもいいのでしょうけど、個人的には木目の細かな凹凸をコーティングで覆ってしまって、ガラスコーティングのような無機質な輝きを放つリールシートが好みなんです。
さて、このオーバルタイプのリールシートフィラーはフィラー直径と偏芯部に加工量と偏芯部のRによって形状が決まります。
色んなロッドメーカーでこのサイズがまちまちであるため、このロッドにこのリールはフィットするけど、このリールは収まりが悪いとか、金具にほとんど噛まない状態でうまくリールを固定できない事も少なくありません。
リール側のリールフットも然りで、このメーカーのリールフットはデカイとか、このメーカーのリールフットは機種によって厚みが違ったりしていることもあります。
以前も何度か書いたことがありますが、リールシートとリールフットとのフィット状態としては、
リールフット側のRよりもフィラー側のRの方が大きいほうが両側のリールフットの接触領域でフィラーに接触するため
安定します。
反対にリールフットのRの方がフィラー側のRよりも大きい場合はリールフットの真ん中付近だけがフィラーに接触する状態となるために、フットが安定せずにグラグラすることが予想されます。
一般的なリールフットのRは約9mm程度です。
私が作製するリールのリールフットのRも9mm指定です。
ですからリールフットの偏芯部のRは10mmとか11mmであればフットの両端でリールシートに接触して安定することになります。
偏芯治具の偏芯量は写真の六角形の中心からリールシートを固定している全ネジの中心までの距離となります。
この偏芯量と、加工量によって偏芯部のRが決まります。
加工量は大体2.5mmから3mm程度です。
偏芯部R=フィラー直径/2+偏芯量-加工量で求められます。
偏芯量=偏芯部R+加工量-フィラー直径/2で求められます。
具体的に私が作製しているフィラーで説明いたしますと
偏芯部R=フィラー直径17.3/2+偏芯量5-加工量2.5
偏芯部R=11.15
偏芯部を写真のような偏芯治具で加工するのではなく、平やすりで加工されている方も多いと思います。
フラットに加工しても、リールフットは安定するので、問題はないのですが、安定した加工を行なうには
偏芯治具があれば安心です。
この偏芯治具は偏芯5mmで加工して、販売しております。
偏芯量を変えて欲しいとか、偏芯部Rを指定していただければ、そのサイズに加工可能な偏芯治具を加工することも可能です。
リールシート1つでも深く考えて加工するのと、あまり深く考えずに加工するのとでは、かなり異なります。
偏芯治具や、リールシートフィラーの加工、リールシート金具の加工等々についても相談に応じますので
何なりとご相談ください。