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7'09" #5 2PC バンブーロッド 完成

バンブーロッド 7’09” #5 2pcロッドのラッピングは終了しました。

何度も書いていますが、ラッピング作業は静かで、お気に入りの音楽でも聴きながら作業できるので、割と好きな作業です。

ただし、眼精疲労からくる肩こりは何とかならないモノでしょうか?

 

今回は、グリップ周りの飾り巻きはお任せと言うことだったので、あまり派手になりすぎず、かといって地味すぎない程度にしようと考えていました。

 

まずはコルク直近部分からワインディングチェック代わりのゴールドスレッドを巻き、トリムの赤色スレッドを巻き込んで、オレンジ系のスレッドでフックキーパー部分を巻きました。

このフックキーパー部分はスレッドに巻き込む凸状の金属とリングで構成されていて、凸状の金属をスレッドで巻きこむ際にスレッドが重ならないように注意し、また、リングが収まる部分は凸状パーツの下側にスレッドをくぐらせてラッピングする必要があるので先端側を少し持ち上げた状態でラッピングします。

また、途中でリングを嵌め込まないといけないので、先端部分を大きく持ち上げると金属が変形して、先端部分をラッピングしにくくなるので、そのサジ加減に気を使います。

 

フックキーパーは自作で、ニッケルシルバーで作製しております。

大まかに成形したのちにヤスリで形状を整え、サンドペーパーで磨き、更に磨き込んでからブルーイングを行います。

 

ブルーイングの溶液は劇物指定で、以前はハンズなんかで簡単に購入できていたのですが、最近では、印鑑が必要だったりと、少し購入が面倒になってきています。

 

フックキーパー部分のラッピングが終わると、トリムの赤スレッドを巻いて、さらにオレンジカラーをラッピングしていきます。

 

飾り巻き部分は前述したようにあまり派手にはしたくなかったので、オレンジと赤のみのスレッドで巻いています。

巻き数も先端に向かって巻き数を減らして、繊細さを表現しました。

 

3周巻きで留めています。

3周だと巻き終わってスレッドをカットする際にスレッドが解けたりする場合があったり、スレッドぎりぎりでカットしたつもりが巻いているスレッドまでカットしたりして、結構忍耐が問われる作業になります。

 

スレッドを巻く際のコツではありませんが、兎に角、満足できなければ巻き直す勇気を持つことです。

ラッピング後にスレッドがクロスしてることに気が付いた場合、面倒臭がらずに、巻き直すことです。

 

同じ巻き数でも色の濃いカラーの方が太く見えたりします。

スレッドをカットするときはデザインナイフを使用していますが、新品の替え刃に交換して、10~20本スレッドをカットすると切れが悪くなります。

 

見た目では歯の状態は全然変わりないのでですが、多分大きく拡大して観察すると刃先部分が少し倒れているようです。

以前は切れが悪くなったら即刃の交換をしていましたが、最近は、切れが悪くなったら、#8000程度のラッピングシートで刃の表面を軽く研磨してカットするようにしています。

話が少しそれましたが、これも小さなSDGsだと考えております。

ラッピング終了後はスレッド表面の産毛をアルコールランプで焼くために、アルコールランプの炎にスレッド部分をくくらせます。

この時にロッドを回転させながらスネイクガイド部分なら約1~2秒程度炎に晒して産毛を焼きます。

 

その後、エポキシ塗布、ウレタン塗布、コーティングの順で行っていきます。

エポキシの混合で、よくうまく固まらないとか聞くんですが、

エポキシの配合に関するテクニックを紹介いたします。

 

計量カップで計量すると仮定した場合、直径20mmの計量カップに主剤3mm。硬化剤3mm計量すると仮定した場合、計量カップで計量するときのばらつきがどの程度になるか、目視で計量カップの目印に対して計量した場合にどの程度ばらつくかですが、仮に3mmに対して10%(0.3mm)ばらついたとすると、

最悪主剤2.7mmに対して硬化剤3.3mmになる可能性があるということです。

これは容量としては主剤0.848mml 硬化剤1.036mmlに相当します。

 

このように目視で計量する場合に目印に対して0.3mmのバラツキが生じるとした場合でも、容量バラツキを減らすにはどうしたらよいのか?

 

答えは簡単です、間口の狭いもので計量すればよいのです。

私はストローでエポキシを吸い上げて計量しています。

ストローの径が5mmだとすると計量カップでの計量と同様の計量をしようとすると、48mmの高さが必要です。

その48mmの高さに対して0.3mmばらつきが生じた場合について計算すると

最悪主剤0.937mml 硬化剤0.948mmlとなります。

 

目視での軽量で溶剤を入れる時に高さばらつきが生じるのであれば、径を細くすることによって容量バラツキは減るのです。

簡単なことですよね!

ただし、ストローではストローの外側にエポキシが付着するので、それを綺麗にふき取る必要があります。

 

反対に計量カップでのバラツキ主剤0.848mml 硬化剤1.036mmlをストローで実現しようとすると

高さばらつきとして、主剤43.2mm 硬化剤52.7mmに相当します。

いくらストローの周りに少しエポキシが付着しても10mm近い高さばらつきには絶対になりません。

そう考えると、どちらの計量が正確に計量できそうであるかは一目瞭然です。

 

大幅に脱線いたしましたが、何か課題が見つかった時に、何故?と考える習慣を持つと解決の糸口が見えてくるものです。

私はこの方法でストローで25mm程度の高さで計量するようにして、できるだけ余剰エポキシが出ないように配慮しています。

これも小さなSDGsにつながります。

 

と言うことで、コーティングまで終了いたしました。

あとはリールシートの接着をすれば完了です。