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G-Glass Rod

Retro G-Glassのロッドビルディングを開始しようとしています。

このブランクの状態を見て得頂くと分かるのですが、切断部分の直線性と言うか、ブランク長手方向に対する直角度が気に入りません。

 

なので、スピゴットフェルール部分を接着して納入してもらうと手直しできないので、フェルール部分は接着しない状態で納入をお願いしています。

 

ですから、納入したブランクは旋盤で端面加工をやり直し、フェルール部の長さを調整し、スピゴットフェルールを接着する工程から始めなくてはいけません。

これは結構な手間です。

 

こんなに手間がかかるなら、自分ブランドのグラスブランクを作ることを考えたほうがいいのかもしれません。

直ぐには無理ですが、将来に向けて、アクションを起こし始めても良いかも!と思っています。

ブランクの手直しついでにフェルール部分の口割れ防止用金具の加工、研磨、黒染めを行いました。

肉厚が0.4mm程度で幅が1.5mm程度の口割れ防止用金具ですが、ブランク径を計測し、あとはフリーハンドで加工しています。

肉厚が薄いので、最後の突っ切り加工で変形したり、バリが出たりとこれも手間がかかりますが、要望があれば加工させていただいております。

ブラウンのブランクに黒染めした口割れ防止用金具は、結構渋い感じになり、グラスロッド全盛期の、少しノスタルジックな雰囲気にさえ感じてしまうようです。

コルクの接着、成形を順次行っていきます。

今回のグリップ形状はシガータイプで、先端部が少し細くなるので、コルク12個を接着しております。

コルクの接着については、まず、最下段のコルク位置を決めます。

これはリールシートを当てて確認すれば位置確認できるので、その位置にマーキングして60分硬化型のエポキシ接着剤でブランクとコルクを接着します。

 

硬化後に、残り11個のコルクを木工用ボンドでブランクに接着していきます。

 

コルクには予めφ6mm程度の穴が加工されていますが、今回のブランクは10mm程度のブランク径があったので、コルクにφ8.5mmのドリルで穴径を広げます。

この時に片側からφ8.5mmのドリルを貫通させるとコルクのムシレが生じることがあるので、コルクの厚みが1/2inchであれば約その半分程度ドリルで穴加工したらコルクを反転させて同様に穴加工するとムシレの無い加工が出来ますので、手間がかかりますが、そのような加工にしたほうが良いと思います。

 

コルクの成形は旋盤に取り付けて、最初はバイトで目標値+3mm程度まで加工して、あとはサンドペーパーで仕上げていきます。

写真の集塵BOXは100均の木工ケースの一部に掃除機のホースが刺さる穴加工をして取り付けています。

コルク成形が終わったらコルク端部のブランク径を計測して、それに合わせてワインディングチェックを加工し、研磨、黒染め、接着を行います。

 

さていよいよラッピングの開始です。グラスロッドのような円形ブランクはバンブーロッドのような多角形ロッドと比較して、ラッピングはやり易いのですが、唯一の問題と言えば、円形で、滑りやすい状態に仕上げられているためにトリミングが非常に難しいのです。

バンブーロッドであれば、多角形の角部分を利用して巻き留めれば3回のトリムでも問題ないのですが、円形で滑りやすいグラスロッドでは、3回転で巻き留めるのは結構厄介なのです、4回転にすれば問題ないのでしょうが、やはり自分の中の美意識としては3回転と4回転とでは華奢な感じが大きく違うのです。

 

繊細にラッピングされていることを演出するトリムは、3回転、これは譲れないモノであり、このために何度となくトリム部分が解け、幾度となくやり直しをしなければなりませんが、丁寧にラッピングをしようと思うのです。

 

梅雨の雨の中では釣りに行くことが躊躇われるので、そんな時にはゆっくりとラッピングを行いたいと思います。