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リールシートの接着

ホームセンター等で売っているFクランパーのお話です。

他にもC型クランパー等もあります。

 

さて、このFクランパーはレバーを握るたびにオレンジ色のクランプ部分が徐々に閉じていく構造になっています。

クランプを解除するにはオレンジ色のボタンを押すとクランプを解除できます。

ホームセンターでは、数百円程度で販売されており、私も4つばかり購入しています。

 

このFクランパーはロッドモーターの固定や、旋盤のキリコの飛散防止用板の固定等に使用しています。

 

話は少し脱線いたしますが、バンブーロッドやグラスロッドの組立の際、最後の工程として、リールシートをブランクに接着します。

このリールシートの接着時に気を付けることとして、リールシートの偏芯加工部分(リールが載る部分)とフックキーパーの位置がずれないように位置合わせして接着する必要があります。

接着はエポキシ系接着剤で、私は90分硬化型のタイプを使用しています。

 

この接着時にリールシートが回転せずに、コルクグリップ部分に密着している必要があります。

このリールシートを回転せずにコルクグリップに密着させる治具を作りたいと考えていましたが、なかなかいいアイデアが浮かびませんでした。

ある日、youtubeを見ていると、家具を持ち上げるジャッキとして、レバーを握るたびに家具が持ち上がる動画に出会いました。

何気なく見ていましたが、「これってFクランパーを逆向きにしたらできるかも?」と思ったのでした。

Fクランパーのシャフト後端にはクランパーの可動部が抜け落ちないように突起があるので、この突起をドリルでもんで除去すると可動部分が抜けるので、取り外して逆向きに取り付けました。

クランパーの固定部はネジを緩めると取り外せるので、この固定部も逆向きに取付けました。

 

こうすることによってレバーを握るたびにクランパが徐々に開くようになります。

この逆向きFクランパーと通常のFクランパーやC型クランパーを組み合わせて作ったのが、写真の簡易治具です。

まず、ロッドのバット部分より長い角材を準備します。

ここでは、長さが1m程度で一辺が約20mm程度の角材を準備しました。

次に写真上部のように角材の一部に別の角材をC型クランパー等で固定します。

次にロッドの長さ+Fクランパーを一番閉じた部分のクランパー部分の長さ+10~20mmの部分(写真下部)に別の角材をC型クランパー等で固定します。

 

リールシートの接着ですが、リールシートフィラーに金具類を接着して、ブランク部分にも接着剤を塗布してリールシートを挿入します。

リールシートの回転方向を合わせて、リールシート後端部分にガーゼやティッシュ等を挟んで、逆クランパーをセットします。

そして、この逆クランパーを数回握るとシールシートがコルクグリップに密着します。

 

もう一度リールシートフィラーの回転を確認したのちに、接着剤が硬化するまで放置すれば完成です。

硬化時間が何時間であろうが、この簡易治具さえあれば問題ありません。

また、2ピースのバンブーロッドとかでも角材が長ければ問題なく固定することができます。

要するに接着したいブランクの長さ+15cm程度長い角材さえあれば、すぐに簡易治具を作製することができるのです。

 

長い間悩んでいた治具が、あっという間に問題解決でき、しかも安価で、簡単で!

 

如何でしょうか?常に問題意識を持つことで、ある日解決のヒントが見つかります。

情報は誰にも同じように流れてきますが、その流れの中からヒントを見つけ出すことができるかどうかは、問題意識を持ってアンテナを張っているかどうかだと思っています。