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フロータントケース

以前も紹介いたしましたが、フロータントケースを改めて紹介いたします。

SNSで話題となっている自転車用グリース(BGR-001)をフロータントとして転用するというもので、フッ素系のグレースなので少量でも撥水効果が良く、使い勝手が良いの言うものです。

 

この自転車用グリースはプラスチック製の容器に入っており、φ40mm×t20mm程度のサイズです。

厚さの半分程度で回転式の蓋を回してグリースを指先にとってフライに塗り付けるというものです。

 

自転車用に開発されたものなので、フライフィッシング用に持ち運ぶことなど当然ながら考慮されておらず、渓流でこの容器を取り出し、左手で持って、右手でキャップを取り外しながら、指先でグリースを少量すくい取って、キャップを締め、容器をポケットに収納し、フライに塗り付けるといった作業を伴います。

 

容器自体には落下防止の対策等はなされておらず、キャップの落下、本体の落下が予想されます。

また、上述のように両手を使って作業する必要があり、その作業中、フライをつまんだ状態で作業する必要があることから、作業性が悪く、それも相まって容器を落下させるトラブルを引き起こす恐れがあります。

 

この自転車用グリースは15g入りで750円前後の値段で、落下による紛失ではそれなりのダメージを伴います。

 

実際に渓流で使用してみて、以上のような感想を抱いたのでした。

それで、この自転車用グリース専用のフロータントケースを作ってみようと考えたのです。

 

このケースを設計するにあたって重要視したことは、3つあります。

1)ワンタッチで開閉でき、片手でフロータントを指先に取ることができること。

2)グリースが漏れ出ない事

3)軽量にすること

以上の3つを考えて設計、加工いたしました。

勿論本体の落下防止のためキーホルダーでこのフロータントケースをベストに吊り下げることも忘れていません。

 

独自のウッドヒンジを採用した意匠性の高いデザインとマグネットによるホールドで、片手でワンタッチ開閉できる構造を作り上げました。

また、このマグネットによるホールド時にOリングを僅かに変形させるようにOリングを配置させ、フロータントの流出を防止する構造と致しました。

これらの構造をウッド材料で加工することにより、本体重量9gに抑えることができました。

 

現流域への釣行や長時間の遡行時はやはりできるだけ装備を軽量化したいものです。

たかが数gであっても色んな持ち物があり、それらが少しずつ重くなると、結構な重量増になるものです。

 

自転車用グリースをこのフロータントケースに取り分けて、携帯することで、落下の心配なく、ワンタッチでフロータント塗布ができると色んな方々より高評価を頂いております。

 

これらの加工は結構時間の掛かるもので、決して安価ではありませんが、他では見ることのできない独創性のある商品に仕上がったと自負しております。

 

また、ある方はフロータントケースとしてではなく、薬ケースとして使用しているとのお話もいただきました。

 

写真ではキーホルダーはついておりませんが、商品には小さなキーホルダーが付いており、落下防止に役立っております。

 

価格は税込み3410円 送料120円

このホームページのWeb Shopから購入可能です。

東京のつるや釣具店さんでも取り扱い頂いております。

 

独自構造のウッドヒンジはこのフロータントケース以外にFly Boxにも採用しており、金属ヒンジの場合は出来るだけ隠そうとしていたヒンジをウッドヒンジにして、敢えて見せる構造にし、そのヒンジをデザインの特徴の一部とすることで今までにない新しいデザインになっていると思っています。

 

簡単で安価な構造のフロータントケースを作ることは簡単ですが、このようなこだわりのあるフロータントケースがあっても面白いと思います。