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ラッピング~コーティング

ラッピング作業は、目を酷使するので、眼精疲労からの肩こりに悩まされます。

私は、基本的にどんなロッドもラッピング部分にトリムを入れるようにしているんですが、これは、自分のラッピング技術向上のためで、ラッピング作業は、習うよりの慣れろ!の典型的な世界だと思います。

ですから、出来るだけ大変な作業を毎回続けていけば技術の向上に繋がるものと信じて、出来るだけ細いシルクスレッドを使用して、ラッピングを行い、トリムを施しています。

 

トリムは3回転。

これにもこだわっています。トリムは細いほうが繊細に見えて、自分好みなのです。

 

3回転で巻き留めるトリムはバンブーロッドの方がやり易いです。

それは、バンブーの六角形のエッジ部分を利用して巻き留めることができるからであり、カーボンロッドやグラスロッドではエッジがなく、スレッドが滑ってしまいスレッドのカット時にトリムがほどけてしまうことが多いので、神経を使います。

 

市販の#50程度のシルクスレッドであれば簡単にラッピングすることができるし、街中の手芸屋さんでスレッドが手に入り、いろんな色を安く手に入れることができるんですが、

やはりスレッドは細く、華奢で、繊細に見えるほうが自分好みなので、#50のシルクスレッドは太すぎて繊細さを表現しにくいと思っており、そこには拘りを持っています。

 

 

 

 

ラッピング後のコーティングは、エポキシのみで終了する方法や、エポキシ塗布後にウレタンを塗布する仕上げ方法もあります。

バンブーロッドの場合は、その後、フルバーニッシュするので、ラッピング後のコーティングの差はよくわからなくなりますが、

バンブーロッドの仕上げ方法として、フルバーニッシュ後にラッピングする場合や、カーボンロッド、グラスロッドなどは仕上げ方法により光沢の状態に差が出るようです。

 

エポキシよりもウレタンコーティングの方が光沢があるように思います。(この辺は好みの問題ですが...。)

どの仕上げ方法においても大切なのは、最後のコーティングの前処理です。

 

ラッピングスレッドのカット時の僅かなスレッドの飛び出しや、スレッド自体の毛羽立ち、コーティング中のダストの付着等によってコーティング後に僅かな凹凸が出る場合がありますが、

このわずかな凹凸を放置した状態で最終コーティングを行うと、その凹凸を反映した形状となり、綺麗にコーティングすることができません。

 

ですから、最終コーティング前に、この僅かな凹凸を取り除く作業を行うかどうかによって仕上がりが大きく変わってくるのです。

 

凹凸を取り除く手段として、私はデザインナイフで凸部を削り取るようにしています。

細かな部分まで処理するために、拡大鏡を使用して、削り取るようにしています。

全てのラッピング部分を観察しながら丁寧に除去していきます。

 

この手間のかかる作業が実は非常に大切なのです。

 

この作業を終えた後に、最終コーティングを行ないます。

 

私の場合は、ラッピング後にエポキシを2回塗布して、ウレタンを1回塗布した後、デザインナイフで、削る作業を行い、最終のウレタンコーティングを行ないます。

カーボンロッドやグラスロッドはこれで完成です。

 

バンブーロッドの場合は、その後フルバーニッシュを行ないます。