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神河トラウトピクニック その②

【神河トラウトピクニック】ではロッドの試投も可能と言うことで、今回は同一テーパー、同一長さの3本のバンブーロッドを持参致しました。

 

9月末にはすでに完成していたバンブーロッド3種ですが、違いはバンブーの種類です。

写真上から、バンブーロッド、真竹、女竹の順です。

見た感じの違いとしてはやはりトンキンはパワーファイバーが大きいため、繊維がラインとなって目視出来ます。

真竹、女竹はパワーファイバーが細かいため、繊維はあまり目立ちません。

 

7’00” #3 2PCSの仕様なのですが、完成後の重量は以下の通り

トンキン:88.2g

真竹:     83.7g

女竹:        77.6g

トンキンに比べて真竹は95%の重量で、女竹は88%の重量となっております。

 

ちなみにブランクの状態の重量は以下の通り

トンキン: 53.7g

真竹:     49.1g

女竹:       46.0g

 

重量差はパワーファイバーの太さ、密度の差と考えてよいと思います。

同一テーパーなのでアクションのイメージとしては、

トンキン:一番張りがあって強く、3本に中では一番ティップアクションになるのではないかと考えていました。

#3仕様でテーパー設計しておりましたが、振った感じは#4のようです。

 

真竹:重量はそこそこあり、パワーファイバーが細かいのでトンキンよりも少しミドルアクションになると考えていました。

#3ラインが合いそうなアクションです。

 

女竹:一番軽量で細かなパワーファイバーなので、一番スローアクションになると考えていました。

#3ラインが合いそうなアクションです。

完成後にラインを通さない状態でロッドを振った感じから想像したアクションは前述の通りなのです。

 

では、実際にラインを通した状態でのアクションはどうだったのか?

トンキン:やはり#4ラインを通した方がバランスが良く、今回採用したテーパーではティップアクション気味です。

これはラインを通していない状態のインプレッションと同じです。

 

真竹:トンキンに比べパワーファイバーが細かいが、案外重量はあるロッドなので、ファイバー強度と重量の影響からトンキンよりもミドルアクションと言った感じです。

これもラインを通さない状態でのインプレッションと一致していました。

 

女竹:ブランク状態ではトンキンよりも5%軽量で、一番スローアクションになると想像していましたが、案外ティップアクションとなっていました。

ファイバー強度はトンキンよりも繊細ですが、ロッド重量が軽量で、復元速度が真竹ほど遅くならねかったことが影響しているのではないかと推測致します。

軽量で扱いやすいロッドと言う印象でした。

 

パワーファイバーを確認したので、そこから想像する印象と、ラインを通さずに振ってみた印象と、実際にラインを通して振ってみた印象で、女竹の重量違いからくる印象を想像することができていませんでしたが、これはホロー構造にしたらこのようなイメージに違いを感じるのではないかと考えたりしました。

 

今のところ。ホロー構造にするつもりは一切はございませんが.....。

 

今回のロッドテーパーは、実のところ私個人の好きなアクションのテーパーを採用した訳ではなく、先日お話した、最大公約数的な誰もが違和感を持たないようなテーパーにしておりました。

なので、アクションについては自分好みではありませんが、万人に支持されるアクションだったのではないかと想像いたします。

 

今まで、真竹ロッドはトンキンロッドのテーパーで作製すると1番手低いロッドになるよ!と言う予備知識はありましたが、今回実際に自分で作製して確認できたことは大きな収穫でした。

また、今まで真竹を扱ったことがありませんでしたが、自分好みのアクションを作り出しやすい竹材だと気づき、今後は積極的に採用してもいいかなと考えています。

 

機会があれば、今度は同一テーパーではなく、同一アクションになるよう各竹材によってテーパー調整して同一アクションを目指すというのも面白いと考えました。

この3種類の同一テーパーロッドをキャスティングしてみることで、自分の好きなアクションの傾向を確認することができると思いますし、この竹材で、この辺をもう少し強くとか、もう少しスローアクションにとか言った要望があれば、個のテーパーを少し変更することで対応できるのではないかと考えており、今回のロッド作製は大きな収穫になったと実感しております。

 

過去には、5インチ毎に0.33mmテーパーが増えていく完全ストレートテーパーのロッドも作製したことがあります。

このように何かアクションの基準になるものがあればそこからモディファイさせて好みのアクションに近づけていくのは比較的簡単ではないかと考えております。

 

アクションを口で説明するのは難しく、一人ひとり好みが異なるものなので、その感覚的な好みを理解するには、今回のような取り組みは非常に有効ではないかと考えております。