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リール修理 (AMPEX CL)

フェイスブックで友達申請を行う際に、メッセンジャーで友達申請の旨連絡させていただくのですが、その際にリールの不具合等がありましたらなんとかいたしますとの一文を追加しておいたのですが、

相手方から承認の連絡を頂き、その際に凄いタイミングです。

実は先日AMPEX CLリールが壊れてしまいました。凄く大切にしているリールのクリック用ばねが折れてしまったとのことでした。

 

正直この小さなパーツをどのように加工したものか判りませんでしたが、何とかしてあげたいと思ったので、一度リールを送ってもらい、加工方法を検討しようと思っていました。

最悪、形状が異なってもクリックバネとして機能すればよいのであれば、なんとかできるかも!と思っておりました。

 

到着したリールからクリック用ばねを取り外して、各部のサイズを計測し、図面に起こしました。

ばね材で加工するのが一番ベストなんで、何か良い材料がないか探していたら、洋白がありました。

通常バンブーロッドやリールパーツ等では快削洋白を使用しますが、快削ではない、通常の洋白です。

バネ性が少しでもあればクリック用ばねとして使用できるだろうと思い、この洋白で加工してみようと考えました。

 

さて、この小さな材料をどのようにして加工したものか?

NCフライスで加工することは決めているんですが、このように線幅の小さいパーツは加工時に材料が飛んで行ってしまう可能性があるので、少し考えました。

 

結論として、

1)洋白材料を瞬間接着剤で固定すること

2)加工時にバネ材が完全に分離するのではなく、タブで分離しないようにして加工する。

 

この2つを採用して加工してみることに!

実際に加工してみると案外スムーズに加工できました。

タブと言うのは、プラモデルでパーツが分離しないようにフレームとパーツとを細いプラスチックで繋いでいる部分の事を言います。

このバネ加工時に、1.5mmのエンドミルで加工していくのですが、途中で0.5mmほどの加工しない部分を残して、バネ材が加工終わりに板材から分離しないようにした加工方法です。

 

加工後に、このタブ部分を綺麗に除去し、バリやカエリを取り除いて、リールにセットしてみました。

スプールを取り付けて、ハンドルノブを回してみると、

「カリカリカリ」と心地いい音が聞こえてきました。

バネの強さも申し分なく、手直しの必要がありません。

 

こんなに上手くいくとは思いませんでしたが、結果オーライです。

 

実際にこのバネ材料がどの程度の信頼性があるのかは判りませんが、加工方法は確立できたので、何か問題が起きた際には何度でも作り直しが可能なので、一安心です。

 

採寸し、設計し、加工するまでの時間を修理代金に反映させると結構な値段になってしまいますが、

こと、リールの修理に関しては、Retro Rod&Reelをもっと知っていただくための宣伝活動の一環として、リーズナブルな価格で修理を承っております。

 

ちなみに今回のこのクリック用ばねの修理費用は税込み2475円+送料となっております。

古いリールなどはメーカー自体が無くなっていたり、パーツ供給ができなかったりする場合があると思いますが、そんなときには声を掛けて頂ければと思います。

 

修理できなければただのガラクタになってしまうリールですが、修理できれば、お気に入りの復活です。

修理して使うことは、SDGsの目標12「作る責任、使う責任」の取り組みに合致していると思います。

資源を無駄にせず、今まで刻んできた思い出を継続させるために、出来るだけ修理して使えるようにしていきたいと思っています。