バンブーロッド、グラスロッド、リール、フライフィッシンググッズ等々、私が手掛けている商品は特別な免許や資格等は一切必要なく、誰でも始められる職業です。
最近はSNSの普及もあって、色んな人の作製したロッドなどを目にする機会も多いので、刺激を受けることも多くなりましたが、少し気になることもあります。
バンブーロッドを作り、SNSに投稿するのはいいと思います。個人の趣味として楽しむのは問題ないと思います。
それを販売するのも問題ないと思うのですが、販売する以上、自分の作製したものに責任を持つ必要があると思うのです。
バンブーロッドを作製するのは簡単で、プレーニングフォームの溝に竹辺を載せ、プレーンで削ると正三角錐状になります。
これは技術を要するものではなく、ガイドされた通りにプレーンを移動させることで必然的に加工可能なのです。
では、何が難しいのか?
それは、テーパーセッティングであり、曲がり直しであり、火入れであると言えると思います。
こんなアクションのロッドを作るには、テーパーをどのように変更すればいいのか?
どの程度まで曲がり直しをするのか?
火入れ温度、時間管理をどうするのか?
ここら辺のレシピを習得するのが大変なのです。
ですが、責任を持てずに販売している人を結構見かけるのです。
素晴らしいロッドを作製しているアマチュアの方もたくさんいます。
反対に、この程度でプロと名乗ってるの?っていう人も見かけます。
最近は色んな情報を簡単に手に入れることができ、頭でっかちになっていることが多いように思います。
釣りにおいては、ロングリーダー、ロングティペットに洗脳された人が多いし、誰かから教えられたうんちくを自分のものにしきれずに、質問に対してうまく答えられなかったりする人も多いように思えます。
ビルダーさんもロッドに対するうんちくを語る割には仕上げが雑だったり、キャスティングが下手だったりすると、残念です。
SNSで公開されているものの中には、もう少し丁寧に時間を掛けて作ればいいのに!
と思うものがたくさん公開されています。
そういう作品を見ると、一度思いっきり時間を掛けて、コストを無視して、自分の作りたいものを作ってみたらいいのにと思ってしまいます。
アマチュアがプロを凌駕するのは簡単です。コストをかけ、時間を掛けてモノづくりをすると、プロ以上のモノづくりができると思います。
時間の制約、コストの制限がある以上、どこかで線引きが必要になってしまいますが、それを無視したモノづくりをすれば凄いものができるに違いありません。
モノづくりするなら、一度究極のモノを作り、それを短時間で、低コストで実現するためのプロセスであったり、熟練であったりそのために必要なスキルを伸ばすやり方が良いと思います。
最初から妥協したモノづくりをしてしまうと、すぐに限界が見えてしまいます。
やりたいものだけを作り続けられるアマチュアが実は一番凄くて、一番楽しいのだと思います。
私も色々脇道にそれながらも、やりたいことを突き詰めていけている今を楽しみたいと思います。