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エボナイトの変色

私が作製するリールにはエボナイトを使用しております。

エボナイトとは古くからある材料で、生ゴムに硫黄を加えて作製した硬質ゴムの事です。

エボナイトは黒色で、黒檀にその色合いがよく似ていたことから、黒檀(エボニー)からエボナイトと名付けられました。

 

元々は生ゴムが原料なので、エボナイトを加工するときに発せられる匂いはゴムそのもので、決していい匂いではありません。

 

さて、エボナイトを使用したリールで、名だたるリール達は時間の経過とともにエボナイトの変色が生じることが良くあります。

研磨された直後は漆黒にい闇のような黒さなのですが、変色し、少し茶色っぽく変色することが良くあります。

これがエボ焼けと言われる変色です。

 

エボナイトは生ゴムに硫黄を添加させ加硫(硫化とも言う)させて作製するのですが、この硫黄が全て硫化するわけではなく、生ゴムと加硫しなかっら残存硫黄が、エボナイトの表面で空気中の水分と紫外線により、更に硫化が発生し、これがエボナイトの曇り発生原因となっているそうです。

空気中の水分を遮断することは難しいため、紫外線を遮断するような保管を行なえばエボナイトの変色(エボ焼け)を防止することができます。

 

このリールは作製後に展示用のショーケースに4年ほど入れておいたものです。

少しハンドルを回転させると、ハンドルの陰になっていた部分がくっきりと判ります。

これはハンドルの陰部分以外は蛍光灯に晒されて、蛍光灯の紫外線により少しエボ焼けが生じているためです。

 

お気に入りのリールは常に目の届くところに飾っておきたいものですが、エボナイトに関しては、出来るだけ紫外線を浴びないように注意してあげることが肝心です。

 

蛍光灯よりもLED照明の方が紫外線成分が少なく、硫化を抑えることができます。

本来ならリールケースに収納して保管することをお勧めいたします。

 

お手持ちのエボナイトのリールが曇ったからと言って、ピカールの様なもので研磨してはいけません。

ピカールは番手的には#4000相当で、金属であればそれなりに綺麗に見えますが、エボナイトをピカールで研磨したぐらいでは、鏡面化できません。

 

もし、エボナイト表面のくすみ、キズ等でお困りであれば、再研磨、またはエボナイトの再加工等対応できるかもしれませんので、ご相談ください。

 

久しぶりに昔加工したリールを見ると、エボナイトの研磨が甘い事に気づきます。

今ならもっときれいに仕上げることができます。

日々、勉強ですね!