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Leonard Mills Reelの修理

先日、Leonard Mills Reelの修理依頼がありました。

写真をよく見ればわかるのですが、フェイスプレートが縮んでしまっています。

オーナーは、フェイスプレートが反ってきたためにホットプレートで温めて矯正しようと考えたらしいのですが、その際に縮んでしまったとのことでした。

 

元々は螺鈿のようなフェイスプレートですが、私が所有しているマーブルエボナイトはそのようなものがなく、手持ちのマーブルエボナイトから選んでいただいた材料での加工となりました。

 

このリールは国内製なので、メーカーに修理に出せば元通りになるのでは?

などと考えましたが、色々と事情があるのでしょう。

 

ということで、今回はフェイスプレートの修理を行うことになりました。

フェイスプレートは取り外していたので、形状測定を行い、加工開始です。

エボナイト板を切り出して、旋盤にて厚み調整の後、ハンドル側は一部ラウンド加工を行ないました。

反対面はフラットのままでよいとのことなんですが、旋盤での加工の際にセンター穴加工が必要であったため、この穴を隠すための飾りネジも加工することにしました。

 

写真は旋盤加工後のフェイスプレートです。

ここから研磨を行ないます。

 

♯320程度のサンドペーパーから徐々に番手を上げて、#2000まで研磨し、その後、液体の研磨材で研磨していきます。

文章にすればあっという間なんですが、地味に時間の掛かる作業なんです。

研磨を終え、リールに接着すれば完成です。

飾りネジも違和感なく取り付けられたと思います。

 

元々のリールとはイメージが変わりましたが、フレームに対してジャストフィットのフェイスプレートを加工することが出来ました。

 

お気に入りのリールだけれど、この部分が気になっているとか、この部分が残念やなあと思うことがあれば何なりとご相談ください。

 

最近は結構色んな修理依頼がございまして、なかなかすぐに加工できますとは即答できないような依頼もあるんですが、何とかご期待に沿えるような加工が出来つつあります。

 

リールは少しイメージチェンジして、また新たな歴史を刻んで欲しいと願っています。