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Ferruleの加工

3pcsと4pcsのロッドを作製しているんですが、フェルールサイズが今までとは異なるため、リーマーを注文していたんですが、納期が非常に掛かるようで、リーマーの納期待ちの状態でした。

市販のリーマーは先端~8mm程度は食いつきを良くするために若干細く加工されており、そのまま使用するとFemale側が段付きの形状になってしまいます。

このため、リーマーの若干細い部分を切断し、ストレート形状になるように加工します。

 

グラインダーに細めの砥石を取り付けて、リーマーを切断しています。

最近やっと注文していたリーマーが到着したので、早速リーマーの切断を行い、フェルールの加工を開始いたしました。

 

手持ちのニッケルシルバーの在庫がφ5mmより大きいのはφ10mmしかなく、少しもったいないのですが、φ10mmを使用して#13のフェルールを加工しました。

 

私の場合はMaleもFemaleも外径形状を加工した後にドリル加工をするようにしています。

 

 

フェルール形状に関しては、好みの形状はSTEPDOWNタイプのフェルールが一番スマートに見えるので、STEPDOWNタイプを作製しています。

外形加工後にBamboo Rodと接着させる部位のドリル穴加工を行ない、その後突っ切り加工して、すり合わせ部分のドリル穴加工、リーマー加工を行ないます。

 

セレーション加工は、フライス盤にカッターを取り付けて、加工を行なっています。

この時にフェルールを六角形の外径の中心部に穴あけ加工した治具にフェルールを取り付けて、セレーション加工を行なっています。

色んなサイズのフェルールを取り付けるので、この治具の穴あけ部とフェルールの間にコレットを介在させています。

コレットは、内径がフェルールの外径とほぼ同じで、外形が治具の穴あけ部に入る寸法に加工して、この円筒状のコレットに糸鋸で割りを入れることで、治具に設けたネジ穴にネジを入れてねじ込むことでフェルールを固定するようにしています。

 

こうすることで、この六角形の治具を60°ずつ回転させてセレーション加工を行なうと、きっちりと6等分されたセレーション加工が出来ます。

 

セレーションはフェルールの外径部分からダウン加工で加工しています。

この方がセレーション部分の変形が少なく、綺麗に加工が出来ます。

今回は種類の異なる5セット分のフェルールを加工しました。

マルチピース用のフェルールなので少し長さを短くしています。

 

この後セレーション部分をV字状に加工して、フェルール接着を行い、すり合わせ、外径研磨、黒染めを行う予定です。

 

フェルールは肉厚の薄い加工となるので、余り肉厚が薄いとドリル加工時に変形したり、加工熱によって精度を出しにくくなってしまいます。

 

今回も何個か加工を失敗し、その都度少し形状修正を行い、何とか加工できました。

薄いパーツなので、ステップダウン部分形状でエッジが立ちすぎていたりすると、その部分から破損したりすることも考えられるため、エッジ部にRを持たせたりして、応力集中する部位が無くなるように配慮いたしました。

 

簡単な形状でありながら、加工の難しいパーツ。

フェルール加工は何度やっても難しいと感じます。