Pflueger Progressリールはブルドックマークでお馴染みのスケルトンタイプのレイズドピラーリールです。
プレス工程を多用したフレームやスプールに時代を感じてしまいます。
既に100年以上前に生産されていたリールはシンプルな構成で、当時主流だったシルクラインの乾燥にも適した構造であり、私もシルクラインを巻いたプログレスリールを何台も所有しておりましたが、譲って欲しいと言う人が多く、現在は60タイプ2台と80タイプ1台のみ所有しております。
以前の写真なんですが、このプログレスリールを保管していて、久しぶりに取り出してみるとノブ部分が朽ち果てていたのです。
スプールなどにも緑青が浮いていたので、湿度が高い状態で保管されていたのかもしれません。
このような状態になったノブは私のリール以外にもたくさんあるのかもしれません。
先ほどプログレスリールはプレス工程を多用したリールと言いましたが、このノブに関してもスプールにプレスによりカシメられています。
朽ち果てているノブは指先でハンドルを回すとポロポロと剥がれ落ちていきました。
ノブ用を固定しているシャフトはスプールにカシメられていたのでカシメられている部分をドリルでもんでシャフトを取り外しました。
ノブ自体は問題なくてもシャフトのカシメが甘くなってグラついているものも良く見かけます。
しかしながらカシメられているパーツの修理は出来ないとあきらめている人もいるんではないでしょうか?
カシメのシャフトを再度カシメることは出来ません。
私もこのカシメられたシャフトの修理をする際にどうしたものか頭を悩ませた記憶がありいます。
で、導き出したのは、やはりネジ止めです。
ラインを巻き取るスプール側にあまりネジが出っ張らないようにネジ頭を低く抑えたネジを加工して取り付けるようにしました。
新しいノブはアクリル製で、ノブサイズは純正サイズと同じにしましたが、少し大きすぎるような気がしています。
ノブサイズはご希望に応じられるように対応いたします。
ノブ交換に際して、フレームやスプールの研磨を行い綺麗にしてみました。
ノブ用のシャフトは真鍮で作製しました。
私が作製するノブにはおなじみのメタルコアを使用しているので、温度変化に対する伸縮による影響がありません。
ということで、カシメ部分に不具合のあるリールやの破損、またはオリジナルのノブを作製したい場合は、ノブ交換も可能ですので、ご相談ください。
最近、金属材料の値段が爆上がりしており、若干修理費用に関しても見直しを考えておりますので、修理をお考えの方はお早目に修理依頼された方が良いと思います。
ノブはウッドでもエボナイトでも色んな材料に対応できるように致します。