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リールシート金具の加工

リールシート金具の加工依頼を年明けに受けておりまして、やっと加工に取り掛かりました。

いつも作っているサイズと少し寸法が異なりましたので、加工プログラムを修正して加工を行なっております。

 

限られた、工具、設備の中では効率的な仕事に限界があります。

まず、φ20mmのニッケルシルバーを切断するのは金切り鋸なので、1本あたり10分程度の力ずくでの切断作業となってしまいます。

5本も切断すれば汗が吹き出し、翌日筋肉痛確定なのです。

 

他にはドリル類も充実しているとは言いにくく、特にφ10mmを超えるドリルは高価でなかなか手に入れるのはしんどいのです。

 

まあ、手加工で作り上げることを考えればNC旋盤での自動加工で金太郎あめみたいに加工できるのは楽なんでしょうけどね。

 

最近ようやくローレット加工の加工条件をつかんできた気がしています。

1mm幅の溝の中にローレット加工を行なうのですが、まずローレットに位置決めを、目視しながらローレットを溝内に軽く押し当て、溝内の両サイドにローレットの跡が付くのを確認し、この状態から一定数値送り込んで転写しています。

400rpm程度で回転させながらX軸を送り込み、ローレットが回り始めた地点を0として、一定数値だけ送り込んでいます。

この際にローレット部分に潤滑スプレーを噴射させながら加工を行ないます。

 

市販されているリールシート金具は軽く研磨はされているようですが、そのまま使用するにはまだまだ仕上げ不足に状態のものがほとんどですが、私は、結構な状態まで研磨して納品しております。

 

実のところ、この研磨作業は加工時間と同じくらいに時間がかかってしまうのですが、私の仕事は半分研磨作業みたいなところがありますので、時間を掛けてでも研磨しております。

 

この研磨では最終的に何種類もの液体状の研磨材を使用して研磨を行うのですがローレットの溝内にこの研磨材が付着して取れにくいのです。

 

通常なら、超音波洗浄器で、アセトンやアルコールで洗浄すれば一気に綺麗になるんでしょうけど、そんなものを持ち合わせているはずもなく、風呂場にて、洗面器にお湯を溜め、歯ブラシに石鹼を付けて1個ずつこすり落としているのです。

 

効率的な仕事と非効率な仕事の組み合わせで、結局時間を取られてしまうので、もっと作業効率を改善していかないと時間がいくらあっても足りません。

また、形状を少し変えることで加工効率を上げることも出来そうなので、今後はもう少し時間短縮させたい加工分野です。