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New Project

今年の初めにスタートしておりました新たなプロジェクトが本格的になってきました。

以前にブログでも紹介したのですが、少し小さいサイズのリールを作って欲しいとのご依頼を頂きまして、先日から加工を開始しております。

 

サイズが異なるリールを開発しようとすると各パーツの設計、加工プログラムの作成、加工治具の作製、材料手配等々結構なボリュームがあります。

 

これから定期的に進捗状況を報告していきたいと思っております。

本日はまず、リールフットの作製状況を報告いたします。

 

ブログでも何度か書いているのですが、私が作製するリールフットはリンゴ割方式を採用しております。

すなわち、円筒状のパイプを3分割することでリールフット3個を同時に加工してしまう作製方式で、この加工方法がリンゴを割るようなやり方に見えることからリンゴ割方式と言われているようです。

 

まずはジュラルミンのパイプを作製します。

外径20.4mm、内径15.0mm、長さ52.0mmになるようにパイプを作製します。

 

次にこのパイプの両側にテーパー加工を行なっていきます。

 

この加工を行なうためには専用の治具が必要です。

いままで使用していた治具ではパイプ内径が合わないため、新たに治具の加工から始めなければならないので、結構時間がかかってしまうのです。

 

写真は治具にパイプを嵌め込んでネジ固定した状態のものです、この状態で旋盤に取り付けて、テーパー加工を行なっていきます。

 

加工が終了したら、治具に取り付けた状態で研磨加工を行ないます。

研磨は旋盤に取り付けた状態の方が楽に研磨できるので、可能な限り旋盤で回転させながら研磨するようにしています。

 

残念ながら旋盤で回転させながら研磨できないパーツもたくさんあるのですが、その場合はリューターを使用したり、手研磨を行ないます。

研磨加工後の状態比較です、上側がBuddy Reel用のパイプで、下側が今回のプロジェクト用のパイプです。

 

Buddy Reel用のリールフットはフット長が63mmに対して今回のはmmフット長47mmになっております。

 

このくらいリールフット長が異なると専用ロッド出なければバランスが悪くなってしまいますが、このリールフットに合うようなロッドは加工したことが無いので、リール加工が一段落付いたら是非ともロッドの方も加工してみたいと考えております。

パイプ状態から前述のようにリンゴ割加工を行ない、加工部分を再度研磨加工してリールフットが出来上がります。

 

これも写真上がBuddy 用リールフット

下が新しいリールフットです。

 

BuddyリールでDT-3F+30y程度のライン容量なので、新たなリールはDT-2Fノーバッキング程度か、もしくはDT-3Fハーフ+バッキング30y程度のおライン容量になると思われます。

 

やっとリールフットが完成しました。

前回、新たなリールはネジ以外は流用出来ないと書きましたが、その後フレームの設計を行ってみると、今まで使用しているネジではリールのフレームに対してねじが大きすぎてデザイン的に納得できないサイズ感になることが判明し、結局ネジについても設計変更を行うことになり、すべてが設計変更になる結構大掛かりなプロジェクトが始動しております。