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リールシートフィラーの加工

6月に入ってから、田植え準備で結構忙しく、周辺の草刈り、肥料撒き、トラクターで耕し、水入れ、代掻き、田植えと怒涛の日々を過ごしていました。

空き時間は、依頼のあったリールシートフィラーの加工です。

 

四角柱の材料の両端中央にマーキングして、センター穴加工を行ない、片側にφ4.8mmドリルで深さ10mm程度のドリル穴加工を行ないます。

 

旋盤の主軸にM6のオネジをチャックして、オネジにドリル穴を開けた四角柱をねじ込みます。

この時に芯押し台で反対側のセンター穴を押しながらねじ込むと同軸度がズレにくくなります。

ねじ込んだ後に四角柱を円筒形状に加工します。

私の場合はまず、φ20mmに加工します。

 

円筒状に加工後、円柱の外径を主軸にチャックして、中心穴加工を行ないます。

徐々に穴径を大きくしながら最終穴径に仕上げます。 今回はφ7mmです。

 

センター穴加工はドリルが振れたり、材料の繊維の関係で、確実に中心に穴が開くとは限りません。

ですから、センター穴基準で外形加工を行ない、外径と内径の同芯度を合わせてやるのです。

 

こうして、同芯度を出しながら最終外径し仕上げます。

外径加工後軽くサンドペーパーを当てて、バリを取り除きます。

次に偏芯加工を行ないます。

偏芯加工は専用の治具を使用します。

この偏芯治具の販売も行っておりますので、ご興味のある方はご一報ください。

 

偏芯治具に円筒状の材料を取り付けて、偏芯加工を行ないます。

加工量は約2.4mm程度です。

治具への取り付け、加工で約6分程度の作業時間です。

 

偏芯加工後は加工部のバリ取り、全体研磨を行ない、フィラー長さに応じて端面加工を行なえばフィラーの完成です。

 

ざっとこんな感じで加工を行なっています。

この方式であれば、ボール盤が無くても加工できますし、失敗の少ない加工方法だと考えています。

1個当たり40分程度の加工時間なのですが、数が増えるとそれなりに時間がかかってしまいます。

集中力の問題もあり、途中一息入れてなんて感じで作業していると、5日ぐらいかかってしまうんです。

 

コーティングは今回の注文はしなくてよいので、これにて終了なのですが、5日に見合う金額が得られるかは、また別問題なのです。

 

こればっかり専業で生計を立てられるはずもなく、またそれほど注文数の多い仕事ではないんですが、加工費に関しては、こればっかり1か月作業していたら生計を立てられる見積もりにしておかないといけないと思います。

身を削って作業している訳だし、ということで、今後は加工費用の見直しを行うことに決めました。

 

今回のご依頼は、材料支給での加工のみと言う仕事内容でしたが、色んな作業内容でも加工を賜ります。

1個からでも加工を受けますが、偏芯加工治具があれば比較的簡単に加工できますので、自分で加工するのも楽しいと思います。

 

とりあえず、依頼分の加工は完了いたしました。