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Flybox+Floatantcase

リールの修理も一段落となり、やっと本来の仕事を開始しようと思っていたところ、ショップさんから連絡があり、リールの修理2台とフライボックスの特注の依頼がありました。

その後SNSを通じて3台のリール修理依頼があり、当面修理が続く毎日になりそうです。

 

さて、フライボックスの特注と言うのがフライボックスの蓋部分にフロータントケースを取り付けて欲しいというものなんです。

単に完成品を蓋に接着するのではなく、蓋部分をくり抜いてそこにフロータントケースを埋め込んで欲しいとの要望でした。

 

なんとめんどくさい注文なのかと思うよりも、こんな発想思いつきもしなかったので、感心することの方が大きく、面白そう!と思ってしまいました。

 

自分にない発想を頂戴するとワクワクしてきます。

 

フロータントケースを埋め込むには少々改良が必要です。

まず、キーホルダーを付けている部分は不要です。

また、埋め込むのであれば、埋め込む部分の肉厚が薄いほどフライボックス内の邪魔になりません。厚みも変更します。

 

フライボックス側の変更点については、蓋の天板部分の肉厚を1mm増やして強度アップそれの伴い仕切り板の寸法変更

 

これを加工プログラムに反映しようとすると結構時間がかかります。

数時間かけて加工プログラムを変更しました。

 

 

加工自体はすでに何度か加工したことがある内容なのですが、フライボックスを加工するためには、1枚の厚みのある板材を90%ぐらいくり抜いて加工することになります。

 

加工用語ではポケット加工と言うんですが、このポケット加工というのが非常に効率が悪く、大半の材料を削って捨ててしまう加工になってしまうのです。

1枚の板で加工しようとすると当たり前の事なんですが、このポケット加工は当然の事1回の切り込みで加工できないので、何回も切り込みながら加工していきます。

 

これがまた非常に時間の掛かる作業なのです。

効率最優先で考えると、フライボックスの側面部分をまず切り出して、天板を貼り付けて

 

フライボックスを作製すれば加工時間は1/3程度に短縮され、ポケット加工がないので、材料の90%を捨ててしまうこともなくなります。

 

側面を切り出すので、エンドミルの径だけ小さな板が残ります。

この残った板で、一回り小さなフライボックスや、フライパッチなどを加工することが出来るのです。

 

材料費も安く、加工時間も短い、そうなると当然価格も安くできます。

少し時間が出来たらこの効率最優先のフライボックスを加工してみようと思います。

 

加工自体は自動加工になるわけですが、凄い量のおが屑が出てくるので、掃除機を持ちながら加工を見守る必要があります。

 

 

フロータントケースとフライボックスをそれぞれ加工し、ペーパーで削って、コーティングしてフロータントケースをフライボックスに埋め込みます。

 

こうやって世界初D型ヒンジで作製したフライボックスに同じくD型ヒンジのフロータントケースを埋め込んだフライボックス+フロータントケースが完成しました。

 

3人寄れば文殊の知恵と言いますが、普段は一人で着想、図面化、加工を行なっているので、新鮮なアイデアを頂きますと、凄くうれしく思います。

 

事あるごとに書いているんですが、着想は何も考えていないのにある日突然舞い降りてくることなどありません。

ああでもないこうでもない、こうしたらここに問題が起きるし、ここの加工は難しいから、他の方法はないだろうかなどとずっと考えて、そのことから少し離れてリラックスしているときに、色んな信号が混ざり合ってアイデアとして舞い降りてくるのです。

 

リラックスしているときなので、やはり入浴中の着想が一番多いです、その次は布団に入って眠りにつくまでの間です。

 

一つの事柄がありました。

例えば、今日、釣りに行ってティペット交換するときに手間取ったとしましょう。

 

その事柄に対して、めんどくさかった。だけで終わらせるのか?

はたまた、どうしたらもっと快適にティペット交換できるだろうか?と考えるのか

 

同じ事柄を経験しても、その事柄からなんかヒントを得ようと考えるのか、考えないのか

これが所謂アンテナを張ると言うことだと思います。

チャンスは平等に与えられているはず、それに気づくのか、気付かないのか、それだけなんですよね!

どうせなら、色んなチャンスをものにして、いろんなアイデアを着想したいものです。