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Bill Ballanの修理 Part:2

先月、Bill Ballanの修理を行いましたが、そのオーナーの友人もBill Ballanリールを持っていて、調子が良くないとのことで、修理依頼がありました。

Bill Ballanリールは2台で、今回は小さいほうのリール(写真上)の修理についてです。

このリールはクリッカーとギヤの摩耗により、クリックがうまく機能しないとのことです。

 

 

以前も書きましたが、Bill Ballanリールのクリッカーはサイドプレートにピンで圧入されています。

ですからまずはこの圧入されたピンを抜くんですが、圧入機など持ってないので、センタードリルでピン中心にセンター穴をあけ、φ1.6mm程度のドリルで貫通穴を開けます。

 

その後、ボール盤にφ2.2mmのドリルを逆向きにつけて、ドリスの刃の無いほうでピンを押して圧入ピンを抜きます。

 

抜いた穴にはM2.6のネジ穴加工を行ないます。

これは双方のリールとも同じです。

 

クリッカーは取り外したものを計測し、また、新しいギヤとのセッティングを考慮して設計します。

Bill Ballanのクリッカー穴に対して圧入ピンは細く、結構ガタツキがあります。

 

新たなクリッカーはネジ固定なので、ネジ頭がクリッカー内に収まるように座グリ穴加工を行ないました。

 

また、クリッカーの穴と固定ねじのガタツキが無いように、クリッカー部はネジ形成せず、ガタツキが無いように調整しました。

 

ギヤは手持ちギヤを流用し、スプールに設けられた回転規制ピンに対応する部分に穴加工して、センターシャフトに収まるセンター穴を加工すれば完了です。

 

加工したクリッカーとギヤを組み付けて、スプールを取り付け、回転させるとカリカリと心地いいクリック音が聞こえます。

 

ここまでの作業は前回のBill Ballanリールと統一作業なのですが、モデルごとにクリッカーの形状、サイズが若干異なるようで新たに設計する必要がありました。

 

今回のクリッカーもネジ固定ですので、クリックのバネ調整やグリスアップする際にはクリッカーを外して調整、メンテすることが可能です。

 

クリッカーが圧入されているとクリック調整で、バネを広げて弱めることは出来るんですが、クリッカーが邪魔でバネを強めることは出来ないのですが、ネジ止め方式の場合、今調整ができるのはいいですね。

分解したパーツをグリースアップしながら組み直し、Bill Ballanリールの復活です。

 

シンプルな構造で、一見両軸リールに見えますが、片軸リールです。

 

メンテナンス性が良くないリールが多いですが、それは、生産性を考慮してコストダウンのためにその構造にしたのか、はたまたメンテナンスする頃には買い替えを促すために敢えて寿命コントロールをしているのかは判りませんが、修理するのであれば、メンテナンス性を高められるように修理していきたいと思っています。

 

次回は、Bill Ballan のエアルームに修理についてです。