バンブーロッドの製作で、曲がり直し、荒削り、バインディングと順調に進めてきました。
2本のロッドは7’03” #3 2pcs と5’06” #4 2pcsです。
バインディングを終え、火入れを行ないます。
火入れはかれこれ23年前に作製したオーブンで行っています。
アルミ製のロッドチューブに5mのリボンヒーターを巻き付けて、その周りにグラスウールを巻いて、ステンレスの煙突管に入れたものです。
当時オーブンを作製するにあたり、自分なりに色々と考えて作ったオーブンです。
まず、ヒーターがロッドチューブ内にあると、ヒーターに向いている面と反対面とでは温度差が起きると考えました。
ヒートガンは、騒音で夜間の火入れが出来ないので却下です。
このリボンヒーターは音が出ず、消費電力も500w程度で、ロッドチューブの外側から輻射熱でブランクを加熱する方式なのでブランクを均一に加熱できると考えました。
ロッドチューブ内に挿入した熱電対で温度をモニターしながら電源のON-OFFをマニュアルで制御しています。
温調器も考えましたが、火入れ中の温度データーを何十本も取ってみましたが、結構温度バラツキなく制御できており、温調器なしで制御しています。
電源投入から約10分で規定温度に到達し、ブランクを投入し、途中ブランクの前後を入れ替える作業を3回行います。
火入れに関しては、TipとButtで荒削り時の太さを変えず、火入れ時間を同じにしています。
火入れ後はブランク表面の恵那メエル質のスクレッピング作業です。
火入れ時のブランクはTipとButtを同じ太さにしているので、Buttのスクレッピングは両サイドに少しエナメル質が残る程度に、Tipに関してはブランク中央のエナメル質の除去にとどめています。
仕上げ削り時に両サイドのエナメル質部分が削り取られてしまうので、最小限のエナメル質除去に心掛けています。
仕上げ削り後はブランクの接着です。
接着後のバインディングは細い綿糸を使用しています。
糸が細いほうが曲がり具合に確認に都合が良いのです。
接着剤の乾燥後バインディングの綿糸を取り除き、接着剤の除去、曲がり直しを行ないました。
その時です。
ブランクの曲がり直しを行なうためにアルコールランプでブランクを少し加熱し、曲がりを調整しようとブランクを持ち直した時です。
扇風機にTipが触れて、パキッといってしまいました。
しばし呆然。
と言うことで、火入れのうんちくなどを偉そうに言っても、ミスをすればどうしようもありません。
午前中はエアコンを付けずにい頑張ろうとしたのが仇となりました。
翌日からスタッガリング、曲がり直し、と順に進め、漸く接着完了して、フェルールを接着し、少し時間に余裕が出来ました。
5'06"はブランク完成時点でペンディングで、10月のイベントまでに仕上げるつもりです。
さて、明日からコルク接着を行ない、ラストスパートのラッピングに向かいます。
ラッピングカラーは初めての色なので、仕上がりをまた報告いたしますね!