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Wrapping

ブランクの接着が終わり、余分な接着剤を取り除いた後は、フェルール接着、コルク接着・成形、ラッピングへと進んでいきます。

 

フェルールの加工に関しいては、今までと加工の順番を変えました。

以前は外径加工、内径加工の順で行っていましたが、内径加工のドリル加工で加工熱による熱変形でセレーションを入れる付近の肉厚の薄い部分が変形することがありました。

今回も変形したので、内径加工⇒外形加工の順で進めたら問題なく加工できたので、今後はこの工程で進めることにします。

 

快削洋白(C7941)の細いモノの在庫が無くなっており、今回はφ10mmから加工しました。

快削洋白についてはまた、改めてブログに書きたいことがあります。

 

快削洋白のφ8mm、φ10mm、φ12mmを購入しました。

 

 

フェルールの加工は、セレーション加工も自動送りで加工できるようにし、加工精度も向上できるようになりました。

 

コルク接着・成形はこれと言って報告する程んことはないので省略です。

 

ではラッピングです。

今回のロッドは7'03" #3 2pcsで、ラッピングカラーはブルーでとのご指定がありましたので、ブルーのシルクスレッドでラッピングです。

実はブルーのラッピングは今回初めてなんです。

 

個人的にはブラウン系のカラーが好みなのですが、ご依頼があったので、今回数色のスレッドを購入いたしました。

 

初めてのラッピングカラーはなかなか新鮮です。

 

トリムカラーはブラックでと言う事でしたが、濃いめのブラウンで行いました。

 

 

私だけかもしれませんが、ラッピング中は、呼吸するのも忘れるぐらいの集中力が必要で、ガイド1個分ラッピングすると少し休憩しないと集中力が持続せず、竿1本分のラッピングで1.5日ほど掛かってしまいます。

 

トリムが無ければ1日でラッピングは終わるんですが、出来ることならこの繊細なトリムを入れて引き締まったガイドにしたいと思っています。

 

フックキーパー部分はシンプルなラッピングにしましたが、このラッピングも案外時間がかかってしまうのです。

 

接着までのプロセスが動だとすると、以降のプロセスは静になると思うのですが、毎回言っていますが、音のしないプロセスは私の作業場においては非常に珍しいプロセスで、アルコールランプでの曲がり直しとこのラッピング作業とコーティングぐらいで、リールを作製しているときなどは、機械の加工音は凄いですし、静かにラジオの音が聞こえる作業というのはいいものです。

 

ただし、ラッピングに関しては、翌日の肩こりが凄くて、息を止めて細いスレッドに集中することで眼精疲労が溜まるのだと思います。

 

ラッピングが終われば、いよいよ最終工程に近づきます。

エポキシ塗布でどのような色の変化が起きるか楽しみです。