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Fly-Boxの加工について

Fly Boxの加工について、少し私個人的な考え方をお話したいと思います。

一般的には写真のように厚みの異なる2枚の板の一部をくり抜いて、フライの収納部分を加工するんですが、このくり抜き部分をポケット加工と言います。

 

例えばFly Boxサイズとして、120mm×60mmだったとするとこのポケット加工の数報は114mm×54mm程度のポケット部分を除去加工する必要があります。

蓋部分の厚みが12mm、ボディ部分の厚みを15mmとした場合、蓋部分で9mm

ボディ部分で12mmの除去加工が必要になります。

 

体積では、蓋部分は55404mm ボディ部分は73872mmの体積を除去しなければなりません。

このようにポケット加工は不要部分を除去する加工なのでもったいない加工だということが判ると思います。

特に希少材や高価な材の場合は特にもったいない加工だと思ってしまいます。

一方こちらのFly Boxはヒンジを自作したもので、最近私が作製するFly Boxはこのヒンジ(形状からD型ヒンジと呼んでいます)を採用したFly Boxが主流になっていますが、

 

じつはこのFly Boxは蓋部分、ボディ部分の壁はそれぞれ4枚の板状の部材を接着して壁部分を作製して、その後に天板と底板を張り付けて作製しています。

 

この作製方法では除去加工が少なく、捨てる部分が少ないため材料効率は良い加工方法だと思います。

しかしながら、壁を加工して接着し、寸法精度を高めないと蓋部分とボディー部分のサイズが合わないと言った問題や接着作業の多さによる硬化待ち時間等々作業時間の効率は良くないのです。

 

では最良な加工方法とはどんな加工なのか?

それは、壁部分をまずくり抜き加工して、天板と底板を接着するという、先ほどの2つの加工方法の折衷案が材料効率と作業時間効率を両立できる加工方法ではないかと思います。

 

このくり抜き方式の場合内側寸法として114mm×54mmで加工したとすると、114mm×54mmのサイズから工具径を差し引いた寸法の材料が残ります。

例えば3mmの工具で加工した場合108mm×48mmの材料がそのまま残るのです。

 

この残った材料で例えばフライパッチなどを加工することも出来ますし、他の加工するための材料に転用も出来るのです。

セコイ言い方をすれば、Fly Boxサイズとして、120mm×60mmからFly Box+Fly Patch分の収益を上げることができるのです。

 

ささやかな事ではありますが、色んな材料費が高騰している最近では加工方法の見直しや、より効率的な工法で価格上昇を抑えたり、収益を上げたりする工夫が必要になってきます。

 

今までの普通だったプロセスを見直して、更に効率アップしたプロセス開発や、無駄、ロス低減するプロセスを検討するときが来たのかもしれません。