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Ferruleの加工

Ferruleの加工を行なっています。

何度も加工しているのですが、なかなかプロセスが安定しません。

 

色んな加工手順があるようなのですが、写真のように初めに外形加工を行なった後に内径ドリル加工を行なうと、ドリル加工時の熱により肉厚の薄いセレーション加工部分が変形し、波打つような感じになってしまいます。

ドリル加工時に注油しながら加工しても切れが悪いドリルでは加工熱による変形が避けられませんでした。

 

なので、最近は最初にドリル穴加工を行なった後に外形加工を行なうようにしています。

 

この加工の弊害はドリル穴加工しているので、外形加工時に芯押し台に回転センターを取り付けて、穴加工部分を押しながら加工できなくなってしまうのです。

 

肉厚が薄いので回転センターにバイトが接触する程近接するので、芯押し台を使用せずに加工するのですが、バイトが接触する瞬間にワークが動き、精度が出なくなる恐れがあります。

 

これに関しては、ニッケルシルバーをテーパー加工して、回転センターの先端形状の角度よりも鋭角に加工してそのパーツをドリル穴に差し込んで、そのパーツを回転センターで押しながら加工するようにしています。

最悪バイトが激突しても加工性の良い材料なので、何とかなるだろうという考えです。

外形加工時にリーマー加工を行なうんですが、このリーマーは先端部分5mm程度は食いつきを良くするためにテーパーが付いています。

このリーマーでそのまま加工するとFemale側がテーパーになってしまうので、FerruleとしてはNGなのです。

テーパーリーマーの先端部分はグラインダーで落としてストレートリーマー状態にして使用するようにしています。

 

Ferrule加工後の最後にセレーション加工を行なうのですが、この加工もまた安定しない工程だったのです。

セレーション加工はPROXXON 小径丸ノコ刃で加工しているのですがセレーションが曲がったり、加工後にセレーション部分が変形したりすることがありました。

 

これは加工状態を見直したところ、セレーション加工時にノコ刃が送りに対して逆方向での加工(内側から外側にノコ刃が回転する)だったので負荷が大きかったのではないかと思い、順方向での加工にしたところ、まっすぐに加工できるようになりました。

 

セレーション加工治具は、六角形の真鍮に穴加工して、その穴とFerrule外径に合うパイプを作製して、糸鋸でパイプに切れ込みを入れて、コレットとして使用するようにしています。六角形の真鍮にねじ加工して、ネジでそのコレットを締め付けるとFerruleが固定させるようにしています。

 

各Ferruleに合うパイプ状コレットを作製しておきます。

 

Ferruleを取り付けた六角形の真鍮を固定してフライス盤でセレーション加工を行ないます。

次に六角形の真鍮を30°回転させ、次のセレーション加工を行ない、これを繰り返します。

六角形なので、それぞれの辺を基準にして固定すればよく、60°間隔で正確にセレーション加工が出来ます。

 

ということで、最近やっと安定したFerrule加工が出来るようになりました。

すり合わせは固着しにくくなるように少し緩めにするのが最近の傾向です。

 

加工後の洗浄に超音波洗浄器が欲しい所です。