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フルーガー メダリスト vol.2

全国的なクリスマス寒波の影響により冷え込んでいますね。

朝、郵便ポストには1cm程度の積雪がありました。

今年2回目の積雪で、比較的温暖なこの地域にしては12月に2回も積雪することは結構珍しいのです。

 

さて、この時間にブログを書いているということは、まだコーティングが続いているという事なんです。

コーティングを行う時間は僅かなんですが、乾燥待ちが長く、このシーズンは24hほど乾燥時間を取らなければ、慌ててコーティングを繰り返すと下地が乾燥しきれてなくて、上塗りしたウレタンの溶剤にやられて、下地が溶解し偉い事になってしまう可能性があります。

そうなるとコーティングを均す作業が必要になるので、慌てず、じっくりと時間を掛けて乾燥させていますが、リードタイムが掛かるので、専用のコーティング、乾燥ブースを作ろうと目論んでおります。

 

前回のメダリストの巻き手変更に関して、オーナーさんの許可を得ましたので紹介したいと思います。

写真のフルーガー メダリスト1492なんです。

巻き手を左巻きにして欲しいと送られてきたんですが、スプールを回した瞬間に違和感!

 

ノブが曲がっています。

確認を取ると、やはり曲がっていたらしいので、ノブ修理も行うことにしましたが、出来るだけ安価に修理したいとのことだったので、ノブそのものを再利用できるように配慮いたしました。

 

このメダリストはピラーがフレームにカシメられているタイプで、フレームを分解することが出来ません。

巻き手変更とは、具体的にはラインガードの位置を変えるのですが、分解できれば加工は簡単なのですが、分解できないため、私の手持ちの分解可能なメダリストのリング状のフレームを上からネジ止めして、穴加工位置を決めました。

 

穴径は2.6mmなのですが、いきなり2.6mmを開けると位置ずれすることも予想されるので、穴径2.6mmに対応した外径で、内径1.5mmのパイプ状のスペーサーを作製し、穴加工位置のガイドにしているリングフレームの穴に入れた状態で、1.5mmのドリルで穴加工しました。

 

同様にピラー長さと同じ長さで、内径1.5mmのパイプ状のガイドも準備して、1.5mmで開けた穴の下部分にピラーのように配置して、1.5mmのドリルでガイドしながらセンターシャフトのあるフレーム側の穴あけも行いました。

 

1.5mmの穴が開けば、後は2.6mmのドリルで、穴径を拡大していきます。

センターシャフトのあるフレームの裏面には座グリがあります。

座グリ径は5.3mmなので、この座グリ径に合わせてフライス加工してザクリ加工を行ないました。

 

 

ノブは、スプールの裏面からドリルで揉んで、スプールにカシメられているノブのシャフトとザブトンを取り外しました。

 

新たに座布団とシャフトを加工するのですが、カシメることが出来ないので、ネジ加工で対応することにします。

まず、ザブトンについてはスプールに開いている穴径から、m6×0.5のタップ加工を行ない、ザブトン側にもM6×0.5のダイスでオネジを加工しました、ザブトンの中心にはシャフトをネジ固定するためにm3のメネジ加工を行ないました。

シャフトはマイナスネジ仕様として、ネジ頭が隠れるように一部ノブに加工を施しました。同様にM3のダイス加工してノブをネジ固定できるように変更です。

 

以上で作業完了です。

グリスアップして組み立てれば完成です。

右巻き時に使用していたラインガード部分はフレームに穴が残るので、簡易シャフトを加工して取り付けて、穴部分をネジで塞ぐようにしております。

 

と言うことで左巻きのメダリストの完成です。

ノブも純正と遜色ないように修理出来ました。

 

巻き手変更できないとあきらめていたオーナーの方々へ

やっぱり左巻きがいいというオーナーの皆様

 

加工できますよ!