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UV硬化樹脂

ロッドを組み立てたことがあるフライマンなら誰でも考えることだと思うのですが、ラッピング後のスレッドコーティングをもっと短時間でできないモノだろうかと!

 

何年か前に低粘度のUV硬化樹脂を手に入れました。そのままラッピング後のコーティングに使用できる程度の低粘度で、強烈なにおい以外は問題ないのではないかと思わせるような樹脂です。

 

通常は、写真のようにラッピング後は、エポキシ樹脂を私の場合は3回塗布してからバンブーロッド全体を~5回程度コーティングしているんですが、エポキシの硬化を余裕を見て1日空けて、コーティングも1日空けるとすれば、それだけでも1週間以上の時間が過ぎてしまいます。

 

実際には1日に2回コーティングできるのですが、効果が不十分だった場合、結構深刻なダメージがあり、そのリカバリーに費やされる時間と労力を考えると、効果待ち時間を増やした方がいいだろうと考えています。

 

さて、入手したUV樹脂をどのように使用するのがいいのかと考えていましたが、手っ取り早く、ガイドのスレッドにコーティングしてUV照射で硬化させ、を2回ほど繰り返したところ、そこそこの形状になったので、そのままバンブーロッドのバーニッシュもテスト的にUV樹脂でやってみようと考えました。

 

ウレタン樹脂と同様に刷毛塗りで全体をコーティングしましたが、UV樹脂を希釈する薄め液に様なものがなく、バーニッシュするには少し粘度が高いような気がしました。

 

結局、この粘度により、気泡が消えなかったりして、少し使いづらい印象を持ったことと、フルバーニッシュした場合のUV照射に苦労しましたが、何とかロッドにはなりました。

 

それから3年程度の月日が流れ、この前UV樹脂のロッドを久々に目にする機会があったのでロッドケースから取り出して確認したのがこの写真です。

 

ストリッピングガイドのスレッド部分にスレッドとは異なる線状のものが見えると思います。

これはUV樹脂のクラックです。

 

また、拡大してみるとスレッドコーティング時にスレッド内部まで完全には樹脂が浸透していなかったことが判ります。

 

この染み込みに関しては、粘度調整ができるような薄め液のようなものがあれば問題なく解決できると思うのですが、問題はこのUV樹脂の割れです。

 

特に紫外線が強い場所に保管指定なのではなく、通常のロッドケース内に保管しておりましたが、硬化が進んだようです。

スレッド部分は、他のガイド部でも同様にクラックが発生していました。

 

ちなみにこのすろちっピングガイド部分を指先で摘まんで、ガイドを揺らすとクラックの進行が確認できました。

 

UV樹脂の硬化後の硬度を抑えるには、ソフトタイプのUV樹脂とミックスすると良いと聞いたことがありますが、

ソフトタイプのUV樹脂で低粘度タイプが無く、ミックスすると粘度上昇が避けられません。

 

いずれにしても、粘度調整できる薄め液のようなもので、必要粘度に調整できるようにならなければ使用に値しないと言う結果になっていました。

 

では、このUV樹脂は使えないかと言うと、適材適所で使用するには問題ないかもしれません。

私が使用するなら、フィラーのシーラントとして、コーティングして、その後研磨して浸透を防ぐ状態をUV樹脂で作り上げて、通常のコーティングを行うと良いのではないかと考えています。

 

時間短縮したいのや山々ですが、色々とテストを繰り返しで、経時変化まで確認してみないと判らない良い例になりました。

このUV樹脂を実際に製品に使用している方を知っていいますが、経時変化が気になりますね!

 

UV樹脂全部が問題なのではないと思います。でも粘度調整をコントロールできない限りは使用は限定的なのではないかと思います。

当然匂いもね!