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モノ作りについて思う事

最近はSNSの発達により、いろんな人たちの色んなモノづくりを簡単に目にする機会が増えています。

 

色んな情報の中から有益な情報を得られるので、便利な一方、ふとした軽はずみな一言で相手を傷つけてしまいこともあるために、日頃から表現方法には気を使いたいものです。

 

特に相手に了承を得ずにSNSにアップしたり、相手を特定できる状態で批判したりするのは良くないと思っています。

 

中には批判したくなるような投稿もあるのですが、そこはFly Manグッとこらえて紳士的な振る舞いが必要になってきます。

 

ハンドクラフトは、ライセンスが必要なわけでもなく、キャリアが必要なわけでもありませんので、自分がプロだと思えば、プロなわけで、周りが批判するようなことではないんだと思うのですが、世の中は広く、中にはオイオイと言いたくなるような作品も存在するのは事実です。

 

プロとはなんぞや!

これに対する答えとしては、その仕事で生計を立てていること。 これままさしくプロと言えるでしょう。

そこまでではないが、商品を売って利益を得ているのであればプロと言っても良いのではないかと思います。

 

趣味でハンドクラフトをやっていて、それをSNSにアップしていいる方も非常に多く、大半はこういう人達なのかもしれませんが、素晴らしい作品を作り上げている方もいれば、少し残念な作品をアップしている人もいます。

 

もう少し丁寧に仕事をすればもっと良い作品になるのに!と思えるものがあるのです。

趣味の世界なので、自由なのは重々承知しているのですが、時間に縛られることが無いのであれば、もう少し丁寧にやればいいのにと思ってしまう作品に出合うと残念な気持ちになってしまうのです。

 

私の作品も残念に思っている人がいても不思議ではありませんが、自分の想像する完成形に及ばないモノは世の中に出すべきではないと思っています。

作品を紹介してもいいとは思うのですが、それを売り物にするためには、ある基準を超えているもの以外はそれでお金を儲けてはいけないと思うのです。

 

そして、その自分なりの基準は。厳しくなることはあっても甘くなることがあってはいけないモノだと思っています。

技術が上達すれば加工時間が短くなると思われがちなのですが、経験や知識、技術が向上するとこれでOKと言う判断を鈍らせてしまうものなのです。

そうすることが基準を上げていくことであり、更なる高みへと上達する方法なのだと考えています。

 

 

バンブーロッドを作っている人で、見てくれよりもアクションを優先させていますと言う人がいます。

それならば、アクションを優先させた後にでいいから見てくれも良くしたらと思ってしまいます。

 

綺麗に仕上げる技術を身につけた上で、不要なものを排除していき、必要最小限のロッドに仕上げたロッドについては文句のつけようがありませんが、出来ないことを棚に上げて、敢えてやっていないんですと、言ってもそこは目利きの方々を騙すことは出来ないんだと思うのです。

 

ロッド作り、リール作りもそうなんですが、大手メーカーと同じようなモノづくりをしていても、大手メーカーにかなうはずはありません。

自分なりの特徴を出してモノづくりをしていかなければ誰も振り向いてくれず、メーカーとしてもコンセプトを明確にしたほうが良いと思っています。

 

最大公約数的なロッドを作製しても横並び一線になってしまって面白みに欠けるのと一緒ですね。

 

やっていない釣り方のロッドを上手く作ることは難しいので、自分の好きな釣り方に特化したロッドを作りたいと考えています。

 

好きな釣り方!

それは、ポイントをよく見て、魚体を確認してからピンポイントにフライを打ち込むサイトフィッシングです。

 

魚体を確認できる距離なので、そんなにロングキャストは必要なくフライラインが~5m程度出ている範囲までが大半です。

そんなショートキャストで楽しい竿は、竿の自重でロッドが曲がり、その復元力でフライを運んでくれるロッドが良いのです。

ロッドの復元力でフライを運ぶので、ライン荷重が余りかからないショートレンジでのキャストでもロッドが曲がるんです。

 

ショートレンジでもロッド曲がりのリズムはゆったりで、ゆっくりとしたロースピードで、水面にインパクトを与えずにフライを着水させ、トラウトが浮上した、フライを咥える瞬間を目視で確認したあとにゆっくりと合わせるような釣り方をしたいのです。

 

そんなアクションのロッドにするにはどちらかと言えばスローテーパーで、ティップもそれほど細くないほうがトルクでフライを運んでくれるロッドになるのです。

スローテーパーのロッドはロッドの復元リズムがゆったりなので、それに合わせてゆっくりとロッドを振る必要があります。

振るといいましたが、どちらかと言えば、ロッドを止める作業の方が重要です。

 

しっかりとフライがターンオーバーすることを確認してから次のアクションに移行するゆったりとしたリズムをショートキャストでも心掛け、フッキングしたトラウトはロッド全体を曲げて楽しませてくれるのです。

 

このロッドはカーボンロッドから持ち替えると凄く振りにくいロッドの思えますが、このリズムを覚えてしまえばロッドが勝手にフライを運んでくれるのです。

 

リールの特徴を文章化するのは難しいのですが、一番好きな形のリールを一番好きなロッドにつけて釣りをしたい。

できれば、綺麗なリールがいい。

大量生産されたようなみんな同じようなリールではなくて、バンブーロッドのようにじっくりと時間を掛けて、丁寧に作られたリールがいい。

 

そんな思いでリールを作っています。

 

グラスロッドも基本的にはバンブーロッドと同様のアクションをグラスロッドで再現するようにしています。

ショートレンジを得意として、ゆったりとしたリズムを刻めるスローアクションのロッドです。

 

どちらかと言えば上級者向けのロッドです。

しっかりとキャスティングの技術を身につけた上で、あえてゆったりとしたリズムで大人の釣りを楽しむようなロッドです。