· 

Fairy Reelの加工

Fairy Reelを年明けから少しづつ加工を行なっています。

年末まで、バンブーロッドやグラスロッドの作製を行っていたので、久しぶりのリール加工なのですが、このFairy Reelは従来のBuddy Reelサイズ違いなだけなのですが、共有パーツがほとんどありません。

ですから、1から加工を行なう必要があり、結構な時間がかかるのです。

 

左の写真は昨年に加工したリールです。

このリールは依頼者より色々なサイズ指定や形状指定があったので、今回は自分なりに少しアレンジを加えた形状にしていきます。

 

と言ったも見た目はほとんど変わらず、ハンドル形状が変わるぐらいなのですが、パーツの共有化などを考えて少しアレンジしています。

 

ロッドの加工もリールの加工も小物類の加工もそうなんですが、加工する際に何個同時に加工を進めるのかで結構悩んだりするのです。

 

ロッドの場合はコーティングなどで同時進行出来ない場合があるのですが、ブランクに加工するまでは数本同時加工を行なうことが多いです。

 

小物類については、加工する材料寸法から同時加工数を決めることが多いです。

 

では、リールに関してはどうかと言うと特にこのFairy Reelの場合は、サイズの合う材料がないので、Buddy用の材料を加工して使用するんですが、実際にNC旋盤なり、NCフライスで加工する工程に行くまでのいわゆる材料準備が大変だったりするので、同時加工数が多いと、大変なのと、2月のハンドクラフト展用に他の商品作製も控えているので、1月中に完成できる個数と言うことで2個同時進行することにしました。

Fairy Reelの構成パーツです。

板材から各寸法へ切り出して、旋盤やフライス盤を駆使しながら加工を行ない、研磨して輝きを持たせるには結構な時間を要します。

 

実際に機械加工している時間よりも研磨している時間の方が長いので、どうしても安く提供することが出来ません。

かといって、安く提供するために、研磨なしでの商品化は自分の望んでいるリールにはならないので、手間はかかりますが、そこは自分のこだわりを持って加工しており、この姿勢を変えることはないと思っています。

 

先ほども言いましたが、このリールはBuddy Reelをモディファイしたもので、全体的にサイズダウンさせたのですが、それに伴って一番苦労したのがネジだったりするのです。

 

Buddy Reelではスリワリネジ(マイナスネジ)を特注して使用していますが、Fairy Reelでは、そのまま使用するとネジだけが大きく見えてしまい、バランスが悪いため、全体をデザインしてそれに合わせる形でネジサイズを決めました。

そうすると、Buddy Reelではφ4.3mmだったネジ頭径をφ3.3mmにしなければバランスが悪く、でも、ネジ強度からネジサイズを小さくすると嫌なので、特注品のネジの頭を加工して、ネジ外径と高さを変えたネジを追加工して作製しました。

加工したネジはバイトの加工痕が付いているのでサンドペーパーで研磨して、最終的には他のパーツと同様の輝きになるように研磨していきます。

Fairy Reelで10個のM2.6mmネジを使用していますが、この10個のネジ加工と研磨で1.5時間くらいかかってしまいます。

 

手がかかるリール程かわいいもので、一つ一つ丁寧に加工を進めてやっとすべてのパーツの加工が終わったところです。

ここまで磨かれたパーツで組み上げると、組み立て調整作業は楽しいです。

 

各パーツの材料は色んな材料で加工することができます。今回のモデルはエボナイトのフェイスプレートですが、花梨プレートにしたり、フレームを真鍮にしたりと色んなオーダーに対応しながら加工することも可能です。

 

2月17日からのハンドクラフト展で展示予定です。

そのサイズ感、輝きをぜひ手に取ってお確かめ頂きたく、お願いいたします。

 

1月中に組み立てを終了させ、2月からはGoods類の加工とGlass Rod2本をハンドクラフト展に間に合わせるように仕上げていく予定です。