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Research&Development

私が作製しているGoodsの中でフロータントケースは中々のヒット商品だと思っています。

 

数年前にFacebookで自転車用のフッ素グリースがフロータントとして優れているとの情報が出回り、Amazonで簡単に購入できることから一時期爆売れしたとの情報がありました。

 

私も例にもれず使用してみたのですがその時に感じた不具合というか、フライフィッシングのフロータントとして使用するにあたり、こんな感じにしたらいいのに!と言った形状をイメージしていました。

 

その当時、フライボックスもGoodsとして加工している最中で、その時に入手していたヒンジを利用して、フロータントケースの第1弾を加工したのでした。

 

第1弾ではワンタッチで開閉することと、Oリングをパッキンとして使用してフロータントの漏れ防止を考慮して作製しました。

 

その後、このヒンジの寸法が結構ばらついていることから自作のヒンジを開発し、フライボックスに採用していたのをフロータントケースに流用するようにしました。

更に、テストを重ね、片手でフローータントケース開閉できるようにカニカンでフロータントケースを吊るす形状に至りました。

 

他かがフロータントケースですが、自分なりにテストしては細かなモデルチェンジを繰り返し、唯一無二のフロータントケースのデザイン、使いやすさがヒットの要因だと自己分析しています。

 

 

また、細かなところですが開閉しやすいように指先がフロータントケースの蓋の掛かりやすいような形状にしたりとか、カニカンを固定する穴部分に真鍮パイプを挿入して破損防止対策を講じたりとマイナーチェンジも行っております。

 

最近は特にリールの修理依頼が多かったこともあり、中々Research&Developmentの時間が取れないので、新たな商品開発が出来ていないのですが、時間があれば作ってみたいものは結構あるんです。

 

ここが話してしまうと、先を越されてしまう可能性があるので、敢えて申しませんが...。

私は個人事業主として独立する以前はある電機メーカーの研究開発部門に入社以来ずっと在籍していました。

 

研究開発部門は各事業部で売り上げた利益を使って研究開発費に充当している訳であり、新商品や新規プロセスを開発するのが仕事で、アイデア抽出が結構な割合を占めるような職場だったので、アイデアが出れば当然のことながら特許出願となるわけなのです。

 

通常はアイデアを特許事務所に開示して明細書を作成してもらうのが普通なんですが、私の職場は特許明細書自体も勉強にため自分で作成しておりました。

 

ということで、写真にあるBGR-001をフローータントケースに使用するには?

について考えた結果以下のような課題があったのです。

・本体、蓋の落下防止対策

・フッ素グリースが必要以外のところに付着しない

・ケース取り出しが不便

・ロッドを持った状態で開閉するので、片手で開閉させたい

と言った課題があることが判りました

 

これに対して、

・ヒンジとマグネットを使用して、カニカンで固定することで落下防止対策を施した

・Oリングにより漏れ出し防止

・カニカンでベストの表面に固定することで取り出し不要

・片手で開閉させる構造にしてワンタッチでフロータント処理が可能

と言った解決策を講じたわけです。

 

このような内容で特許は無理としても実用新案等の出願は可能なはずなのですが、ここで開示した時点で公知の技術となった訳であり、他の人が出願しようとしても既存技術になってしまう訳です

 

特許出願には結構な費用が掛かってしまいます。一個人ではなかなか出願するのは難しいので、このように開示して既存技術にすることで、競合他社の出願を防止することができます。

その反面、誰でも真似することができるわけなのですが、所詮この小さな世界では、先発明、先行販売が全てなような気がします。

 

その他としては、同じようなものを他の方法で作れないか? 他の材料で作れないか? もっと安く作れないか? これをプラスしたらもっと良い商品になるのでは?と言ったような切り口で考えるようにしています。

 

最近では、これをWoodで作ったら?とか、高級感を出したらとか?そんな見方が多くなったような気がします。