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No Name Reel修理 その2

今回もまたNo Name Reelの修理依頼です。

形状から見て英国製のアンティークリールだと思われます。

 

この時代でも旋盤加工は出来たと思いますが、リールフットに関しては手作り感満載で、特にリールフットに接する部分は強引にR加工しているようで、Rも15mm程度あり、現在のリールシートに搭載した場合はRが大きい事によりCapにリールフットが入り込まず、また、Ringにもリールフットが入りきらない状態で、せっかくのリールを取り付けられるロッドがないような状態です。

 

と言うことで、リールフットの加工依頼を頂きました。

見ての通り、ピラーとリールフットは真鍮製であり、新たに加工するリールフットも真鍮を希望されています。

 

手持ち材料で、リールフット加工途中の材料の中に真鍮製のものはリブフットタイプだけだったので、リブフットでも良いかと確認するとOKを頂きました。

 

リールからリールフットを取り外し、各部分の寸法計測を行いました。

 

まず、驚いたのがネジピッチです。

私のリールのリールフットのネジピッチは16mmで、Medalistは21mmです。

このリールは8.75mmと極端に小さいのです。

ピッチが小さいからと言って加工に関しては何ら問題ないのでサクッと加工しました。

フットのピラーは今まではニッケルシルバーで加工しておりましたが、このリールのピラーは真鍮製なので、フットのピラーも真鍮で加工を行ないました。

 

また、ネジに関しても市販のネジを一部加工して使用することにしております。

単体で見ると純正のリールフットの手作り感が良くわかると思います。

もしかしたら、色んなオーナーの元でリールフットを加工されてこのような形状になったのかもしれませんし、もともとこの形状で発売されたのかもしれません。

兎に角、新しいリブフットを無事に加工することが出来ました。

リールにフットを取り付けると、何だか足元だけ浮いたように輝いておりますが、これもまた時間の経過とともに表面が徐々に酸化して、いい雰囲気を醸し出してくれると思います。

 

リブフットも違和感はなく、元々リブフットだったと言われればそんな気もして来るように馴染んでいます。

 

リールフットの裏面のRは9mmに設定しております。

現在市販されているロッドの大半には問題なく取り付けられると思います。

フレーム外径63.5mmなので、#3程度のラインを収納するのにピッタリです。

重量的にもバンブーロッドと組み合わせればベストバランスだと思います。

 

手持ちリールがロッドにうまく装着できない場合、ロッド側で調整するか、リール側で調整するかは自由ですが、大抵はリール側で調整したほうが他のリール達との親和性が高いと思います。

このロッドにはこのリールだけしか付けない!と言ったような信念があれば、ロッド側で調整したほうが多少は安上がりかもしれません。

 

リール関連の修理に関しては、常時数台の修理を抱えている状況です。

結構修理時間がかかると思われますが、何なりとご相談ください。

 

また、金に糸目は付けないから早くしろ!と言われれば頑張りますので....。

復活したリールが最前線で活躍することを願っております。