6月は色々と忙しい時期で、田植えの準備として、まず、田んぼに肥料を巻いて、トラクターで耕します。
田んぼに水を入れて、代掻きとしてトラクターで2回耕します。
田植えをして、苗箱を洗って、機械も洗って、やっと一段落と思っていたら、いつの間には畑は草が生え、草刈りをするような週末を過ごしています。
さて、今回のお話は、グラスロッドのビルディングを依頼されたお話です。
ブランクス、リールシート金具、フィラー、スレッドを提供され、これでビルディングして欲しいとの依頼です。
イベント時にお預かりしていたもので、時間が出来たので少しづつ取り掛かっていました。
フィラー材はトチタイガーで綺麗な木目が出ています。
フィンガーネイル加工されているもので、写真上側が預かった時点でのフィラーの状態です。
薄くコーティングされているフィラーは素材のトチタイガーを加工した際の細かな凹凸をカバーしきれず、コーティング表面も凹凸が出ています。
写真では白く反射しているあたりです。
フィンガーネイル加工時にムシレ等があり、それを綺麗に処理されること無く、コーティングしており、コーティング後もその凹凸を反映した状態になっています。
このフィラーを使用してくださいと言われたので、そのまま使用しても全く問題ないのですが、
そのロッドは、私がビルディングしたロッドとなるので、当然そのフィラーも私が加工したものと考えられるわけです。
すなわち、そのコーティングが余りよくないフィラーはRetro Rod&Reelが加工したものと思われてしまうのです。
それは困ります。
また、フィラー自体は通常少し長めに加工されており、組み立てるメーカーごとの基準に則り、長さ調整されて装着されます。
ですから、供給されたフィラーをそのまま使用するとフィラーが長く、リールを装着した際にアンバランスになってしまいます。
私個人の美学としては、ギリギリリールが装着できる程度が好きなのですが、リールフット長さ自体もメーカーごとにバラツキがあるので、ほんの少し余裕を持った程度のフィラー長さにしています。
ですので、このフィラーもカットします。
リールシートのCap取り付け部分をカットしますが、チェック側も少しかっとして、間延びしたフィラーを引き締めます。
コーティングですが、2回ほどコーティングを追加して、水研ぎして表面の凹凸が隠れていることを確認したのちに再コーティングして仕上げました。
フィンガーネイル加工されてフィラーは加工の溝部分にコーティングが溜まると不細工なので、この部分も丁寧に水研ぎしてボテッとした印象がないように削っています
写真下側が再コーティング後のフィラーです。
フィラー自体の長さや、コーティング方面の状態も違っていることが判ると思います。
このような作業を行ないますと追加で1日2日程度はすぐに時間がたってしまいます。
だからと言ってその超過時間分を請求すると結構なお値段になってしまいますので、お気持ち程度の請求にとどめますが、やはり気になるところをほったらかしにして作業を進めることが出来ないのです。
ビルディングそのものは比較的簡単な作業なので、音楽でも聴きながら進めることができ、優雅な時間を過ごすことができるのですが、その前後に田植え等の肉体労働がありますので、筋肉痛を耐えながらの作業でもあるのです。