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Buddy Brass 花梨モデル

2月のハンドクラフト展に向けて加工していて、結局組立が間に合わなかったリールがありまして、時間が出来た時にでも組み立てようと考えながら、結構な時間が過ぎてしまいました。

 

その間、リールの修理が結構あり、数えてみると20台の修理対応を行なっていました。

また、ロッドの修理などもあるので、結構な時間を修理対応に取られていたわけです。

 

修理の見積もりは即座に回答する必要があり、いつも思い返すと、寸法計測、設計等の時間を考えずに見積もりして、結果、時間がかかりすぎてしまうことも多々あり、我ながら見積もりの甘さが治らない日々を過ごしています。

 

さて、組み立ての方ですが、今までに加工途中でストップしていたパーツ類をかき集めていると、数台のリールを組み立てられるほど、パーツが残っています。

例えば、リールのフレームにフェイスプレートを組み込んでいる状態で、少しフェイスプレートにキズが入って、加工ストップしているものや、加工を纏めて作業していて、作りすぎたパーツなどが残っているのです。

 

フェイスプレートは今までは研磨した後にフレームに固定しており、フレームに固定後にキズが入った場合には旋盤にフレームを上手くチャッキングできないためにペンディング状態になっていたのです。

 

今回、フレームを円盤状のプレートに固定することでフレームに固定された状態でもフェイスプレートを研磨できる治具を作製しました。

折角なので、Buddy以外にもBros、Fairyリールも研磨できるようにしております。

 

治具さえあれば、研磨自体はすぐにできます。

#800程度のラッピングペーパーから順次目を細かくして最終的に#30000程度まで研磨します。

 

これで今まで加工ストップしていたパーツを活かしてリールづくりができるようになりました。

 

ハンクラ時に組み立てが間に合わなかったのはbuddy Brass 花梨モデルで、このタイミングで一緒に組み上げることにしました。

 

Buddyシリーズの中では一番人気のモデルです。

ライン容量:DT3F+30y (ノーバッキングでDT-4F収納可能)

重量:135g

スプール径56mmの小さなモデルです。

 

この小さなレイズドピラーリールをお気に入りのロッドに装着すると、リールが小さい事もあり、相対的に渓魚が大きく見えるのです。

 

これは写真に残す際に重要なことです。

ロッドに関しても、デザイン性を重視した場合、リールシートフィラー長さは結構気を使います大半のリールが装着できながらも出来るだけ短いフィラー長になるようにしております。

 

リールに対してフィラーが長すぎるロッドはデザイン的に不細工に見えてしまいます。

 

花梨のフェイスプレートはコーティング厚さを抑えつつも表面の凹凸が無くなるように何度もコーティングしては研磨を繰り返して細かな凹凸が無くなるまで地味な作業を繰り返しています。

 

一つ一つのパーツも磨き込まれており、研磨だけでも相当の時間を要することは一目瞭然ですが、大量生産するために妥協する生産方法を採用するのではなく、1台を自分のお気に入りとなるような気持ちで仕上げています。

 

現在のモノづくりのスタイルには逆行するようなやり方ですが、私の欲しいリールはこういうリールなのです。

全ての人に気に入っていただく必要はありませんが、一部のフライマンの琴線に触れるようなものが出来れば嬉しく思います。