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バンブーロッドの修理

数カ月前に修理の依頼を受けていたのですが、忙しくて対応できず、7月になってから修理を行なったバンブーロッドがあります。

8f台の3pcsで第2セクションのMale Ferruleでぽっきりと折れて、Maleフェルールの一部が第3セクションのFemaleに入り込んだ状態でした。

 

ビルダーさんは廃業したらしく、修理できるところを探していたそうです。

まず、Maleフェルールで折れた原因ですが、写真をよく見ると折れた部分には、

フェルール部分に飾り溝が2本形成されていて、この飾り溝で折れています。

飾り溝が深すぎるので、フェルール部分負荷がかかった時に、一番弱いこの溝部分で破断したのです。

 

通常、Maleフェルールは、Femaleに収まる1段細くなった部分の境界部分が一番弱いのですが、このフェルールは飾り溝が弱かったようです。

 

残ったフェルール部分を抜く前に、各部分の採寸を行ないます。

ラッピング用のスレッドカラーも確認しておきます。

 

写真では分かりづらいですが、メインのスレッドはダブルラップで、そのスレッドを赤色のスレッドを両サイドをトリムしているようです。

採寸した寸法に合わせて新しくフェルールを加工します。

 

今回は折れた部分はそのままで約20mm短くなりますが、そのまま新たなフェルールを付けるようにしました。

 

フェルール加工で一番大変なのがすり合わせです。

何度も寸法を確認しながら加工します1/100mm程度まで旋盤で加工して、それからサンドペーパーで研磨しながらFemaleの内寸に合わせて研磨していきます。

ある程度Femaleに入り込むまで研磨したら、最終的なすり合わせはロッドに接着した後に行います。

 

飾り溝も形成しないとFemaleとのバランスが取れないので、最小限の溝を加工しています。

ロッド側の加工を行ない、フェルールを接着します。