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Bill Ballan Reel

つい最近の話なのですが、Bill Ballanリールのクリック不調で修理をして欲しいとの依頼があり、リールを送付していただきました。

確認すると、クリック用のギヤがありませんでした。

また、クリッカーの摩耗もあります。

 

このBill Ballanリールはトラウトクラッシックだと思うのですが、このリールはギヤがスプールに固定されておらず、スプールを外すとギヤも外れてしまいます。

 

多分、スプールを外した時に紛失してしまったのでしょう。

摩耗しているクリッカーはピンの圧入でフレームに固定されているので、まずはこの圧入ピンを抜いてみました。

 

圧入ピンを抜いてみたところ、ピンとクリッカーの固定穴にガタツキがあるのです。

寸法を確認してみると、クリッカーの穴径は2.9mm 圧入ピンの径は2.5mmだったのです。

と言うことは、クリッカーは±0.2mmもガタツキがあると言うことなのです。

 

そういえば、過去にも同様の修理を行なったことを思い出しました。

その際はクリッカーとギヤを作製したことを思い出しました。

 

ところで、私は作業日誌というか色んな作業の忘備録としてノートを付けているのです。日付と作業内容などを数行書き留めているのです。

 

また、作業の重要な部分は携帯で写真を撮っています。

その写真から日付を確認して、ノートを見直してみると、ギヤのサイズ等々の情報が出てきました。

 

 

この写真はその時の写真なのですが、ギヤの購入先等々の情報もあったので、ギヤを購入しました。

クリッカーの加工情報もあるんですが、先ほどのガタツキを改善することでクリッカーを再利用できないかと考えました。

 

ギヤ入手後に内径や、厚み加工やスプールとの同期用の穴加工を行ない、クリッカーを取り外した圧入ピンで仮固定してみると僅かにクリックが機能します。

 

と言うことは、圧入ピンを精度良く加工すれば0.2mm分ギヤにクリッカーを近づけることができるので圧入ピンを加工しました。

 

クリッカーは摩耗して先端部分が少し丸くなっていますが、この状態でギヤに上手く接触すれば、この状態からクリッカーの摩耗は少なくなるはずで、クリッカーの寿命は長くなるはずなのです。

 

加工した圧入ピンをクリッカーに通して、フレームに圧入してみると、いい感じにクリック音を奏でるのです。

クリッカーの新品はピンピンのエッジなのですが、ある程度摩耗して先端が摩耗してるとこれからの摩耗は少ないため、この修理は案外理にかなっているのかもしれません。

 

Bill Ballanリールの修理を依頼してくるオーナーは約25~30年ほど経過してしている状態なので、そろそろ摩耗などの問題が出てくる時期なのかもしれません。

 

大切にしてきたお気に入りのリールの不具合を修理してくれるところがないという話をよく聞います。

ネットで探して私のところにたどり着きましたと言う話も良くあります。

 

こうしてブログに書くことで、検索に掛かって、無事に修理できることを祈っております。