今朝、台風7号が紀伊半島に上陸し、どうなるかと心配しておりましたが、風雨もそんなに大したことはなく、普段通りに加工を行なうことが出来ております。
本日もリールシート金具の加工を行なっています。
リールシート金具はCap、Ring、Checkの3点から構成さています。
このうち、RingとCheckは複数個同時加工することができます。
RingとCheckはいずれも貫通穴形状なので、複数個同時に加工することができるのです。
Ringの加工はφ20mmのニッケルシルバー棒に対して、まずドリル穴加工を行ないます。
Cドリルから、φ6mm、φ8mm、φ10mmの順でドリル穴加工を行ないます。
続いて、中ぐりバイトで所定の径になるまで中ぐり加工を行ないます。
加工深さは40mm程度です。
内径加工後は真剣バイトで外形加工を行ないます。
続いて、ローレット加工を行ない、個別に突っ切り加工し、最後に内径部分のC面取り加工を行ない、研磨していきます。
この作業を繰り返すことでRingの加工を行なっていきます。
これに対して、Capの加工は、底のある中ぐり加工が必要なので、多数個同時加工が出来ずに、個別加工が必要になるために、作業時間が長くなるのです。
この底のある加工を行なう場合、中ぐりバイトで加工するまでは、ドリル加工と、エンドミル加工を行ないます。
例えば深さ12.5mmまでの加工を行なう場合、ドリル加工、エンドミル加工で12.4mmまでの加工を行ないますが、この12.4mmの加工深さを精度良く加工するのが案外大変なのです。
Cドリル加工の後、φ6mm、φ8.5mmのドリルで穴加工していきますがこの時に深さ制御をどのようにするのか?
私は、スペーサーを利用して、深さ制御を行っています。
12.4mm深さにするためにスペーサー2.6mm厚さのモノを準備します。
バイトの敷板などで厚さ2.6mmになるような板を探し出します。
旋盤にセットしたワークにこの2.6mmのスペーサーを介してφ6mmのドリルをセットするのですが、この時に芯押し台のダイヤルを0に合わせておきます。
バックラッシュに注意して0セットするのを忘れないようにしてください。
ドリルを固定して0セットした芯押し台をmmのスペーサーに当てた状態で芯押し台を固定します。
2.6mmのスペーサーを取り除いた状態で、ドリル加工で芯押し台を14mmだけ押し込んで加工します。
この時の注意なのですが、芯押し台のネジピッチが1mmならば問題ないのですが、ネジピッチが1.5mmの場合は、スペーサーは3.6mmにすることをお勧めいたします。
これは加工深さがピッチの整数倍になるからです。
3.6mmのスペーサー+ドリル加工深さ12.4mmでトータル15mmであれば、1.5mmピッチの芯押し台のハンドルを10回転させれば15mmまで加工できます。
このように芯押し台の整数倍になるようにすることと、スペーサー厚さを少なくとも1.5mm以上の厚みにすることで、ドリルを当接させてもスペーサーが変形しないので、ある程度厚みのあるスペーサーを使用するようにすると良いと思います。
このようにして、φ6mm、φ8.5mmのドリル加工、それからφ8.0mmのエンドミル加工で深さ12.4mmまで加工を行なうことができます。
その後、中ぐりバイトを使用して12..4mm深さで所望の径まで加工して、最後に12.5mmまで加工を行ない所定加工深さを確保します。
めんどくさい作業ですがドリル先端をスペーサーに当接させるので加工深さを高精度に制御することが可能です。
個別作業で、作業効率は良くないのですが、地道に加工していくしかありません。
今日もCapの加工を行なっています。