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リールシート金具の加工 その2

前回のブログ以降もリールシート金具の加工は継続しておりまして、毎日加工や研磨の日々を過ごしています。

 

さて、私は旋盤を2台所有しておりますが、どちらも卓上旋盤であまりパワーはありません。

1台は汎用タイプの旋盤で、もう1台は汎用タイプより少しい大きいCNC旋盤です。

このCNC旋盤でNC加工を行なうのですが、外形加工に関しては問題ないのですが、中ぐり加工はなかなか精度を出すのが難しいのです。

 

これは汎用旋盤でも同様なのですが、中ぐりバイトで加工していると、Zステージをマイナス方向、すなわち、切削方向に加工しているよりも、Zステージをプラス方向に移動させているときの方が切削量が大きい事があります。

 

これは多分中ぐりバイトはその加工の性格上余り太いシャンクを使用できず、また、バイトの突き出し量も多いため、切削中にバイトが変形するのだと思います。

バイトの変形により切り込み量に対して、実際には切り込み量以下しか切削できておらず、Zステージをプラス方向に移動させているときにも変形による力がワークに掛かっていて、切削しながら移動している状態になっているのだと思います。

 

これに対しては、バイトのシャンク径を出来るだけ大きくする。

バイトの突き出し量を必要最小限にする。

1回での切削量を抑える。

等々の対策があるのですが、

非力な旋盤に対して、更に切削量を抑える行為はなかなかやりたくないもので、そのためかNC制御での加工時に内径の精度を出しにくいということがあります。

 

一度精度だしが終われば、その再現性は悪くないのですが、その1度の精度だしの結構時間がかかってしまうのです。

 

また、内径の寸法計測ばらつきの影響も大きいのかもしれません。

内径用のマイクロメーターで計測していますが、何度か計測していてもその都度幾分かのバラツキが出てしまうのです。

 

最近は、加工したい内径に対して、段階的に寸法を変えた、内径計測用スタンダードを作製しています。

例えば、内径15.0mmに加工したい場合、内径計測用スタンダードは、14.95mm、15.00mm、15.05mmの3段階の寸法を持つように加工して、

内径加工後にその内径計測用スタンダードを挿入してみて、14.95mmが入らなければ、更に加工し、14.95mmが入るが、15.00mmが入らないとか、15.00mmは入るが、15.05mmは入らないとか言う状態を確認しながら精度出しを行なっています。

 

 

加工に関して困ることと言えば、加工を依頼される方が、寸法は連絡してくるのですが、寸法公差は連絡してこないのです。

例えば内径15.00mmに対して、寸法公差は精級では±0.1mmとなりますが、実際に±0.1mmで加工すると受け入れてもらえないので、もっと公差は厳しいのです。

 

これを図面化して、寸法公差を記入して加工業者に提出しようとすると、それなりの製図知識がないと無理なのです。

 

ですから、ビルダーさんは、リールシート金具、またはロッド全体にある程度精通している加工業者に加工を依頼したがるのです。

 

精度が必要な個所、そこまで精度が必要ではない部分が加工業者の方で理解できていれば、話は簡単と言うことのようです。

 

加工側から言えば、公差の指示がない場合、果たして要求を満足しているのか否かが判りづらく、歩留まりに大きく影響してくるのです

 

少し愚痴のようになってしまいましたが、最終目的は同じなので、いいものを加工していこうと思っています。

 

もう一つ言わせて頂ければ、仕上げ状態も加工時間に大きく影響するのです。

出来れば加工見本のようなものがあればそれに合わせて研磨していきますので、見本があると嬉しいです。

 

卓上の汎用旋盤ではCap&RingCheckを1セット加工して研磨まで行うと、半日は掛かると思います。

その加工を一部NC加工をしているからと言って仕事量がけた違いに少なることはなく、数十個の加工を行なうとすれば、結構な時間がかかってしまうものなのです。

 

それに加え、最近の材料費の爆上がりで、なかなか厳しい加工業界ですが、何とかいいものを作っていきたいのもです。