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Glass Rodの組立て

Glass Rodの組立てについて書こうと思います。

私のオリジナルブランクスは2pcs状態で納入されています。

グラスロッドのテーパーを検討するときは6pcsに組み立ててからアクションを確認して、そのアクションからテーパーを変更するという作業を繰り返してようやくたどり着いたテーパーなのです。

 

私の好きなアクションはリーダーキャスト時でもロッドの復元力が十分に働いてリーダーキャストを助けてくれるアクションなので、どちらかと言えばスローテーパー、スローアクションに分類できると思います。

このアクションは、バンブーロッドでたどり着いた自分好みのアクションをグラスロッドで再現したいという思いから自分ブランドのグラスロッドを作ろうと思ったのです。

 

車から降りてすぐの川や、危険を伴わない川ではバンブーロッドを使用するんですが、現流域の高巻きを必要とする場合はどうしてもパックロッドをベストの背中に放り込んで、両手を使って安全に巻いていくことが最優先されるので、2pcs,3pcs等のバンブーロッドを持っていく気にはならないのです。

 

また、お気に入りのバンブーロッドのアクションをパックロッドだからと言ってあきらめるのも嫌なので、大好きなアクションをグラスロッドのマルチピースで再現したいとの思いで何度もテーパーを変更しやっとたどり着いたアクションなのです。

 

前置きはそのくらいにして、そのブランクスを切断して、6pcsのマルチピース化していくのです。

2pcsのブランクはTip側とButt側ではテーパーが異なり、Tip側はどうしてもテーパーがきつく、Butt側はスローなテーパーになります。

 

6pcsのロッドの場合は5個のスピゴットフェルールを作製するのですが、スピゴットフェルールのすり合わせをやったことが無かったので、最初は結構戸惑いました。

バンブーロッドの金属フェルールのする合わせは何度も経験していたのですが、Female側にテーパーが付いているグラスロッドの場合はスピゴットもテーパーが必要になります。

個にテーパーの加減がいまいちわかっていなかったのですが、自分でロッドテーパーを設計すると、入手したロッドのテーパーを把握しているので、どのようなテーパーのスピゴットにすればよいのかを理解できているのでその点では加工しやすいと感じるのです。

 

今となってはテーパーの数値は判っているのですが、アクションが煮詰まっていない段階では、どの程度テーパーをいじるとアクションにどの程度影響するかが自分の中にはそのノウハウが全くなかったので、そのテーパーからアクションのフィードバックが掛からず、結構試行錯誤したのでした。

 

さて、スピゴットの作製はFemale側のテーパーばかりに気を取られがちになりますが、もう一つ大切なことがあるのです。

それはスピゴットフェルールの接着部分の事です。

 

 

ブウランク側にはテーパーが付いているので、スピゴットの接着は先端側から接着していくのです。

仮に接着部分の長さが30mmとするとテーパーのきついTip側だと30mmの長さで0.1mm以上の径の違いになります。

接着部分をストレート形状に加工したとしても端部と30mm離れた部分では0.1mm位以上の径の差があるので、スピゴットに接着剤を塗布してブランク7の先端側から差し込んでも、一番細い先端部分で接着剤をこそぎ落してしまうので、30mm奥まった部分の接着剤量が足りなくなってしまうのです。

ですから、ブランクス側に予め十分な接着剤を供給した状態でスピゴットを接着するようにしないとだめなのです。

考えれば簡単なのですが、これを忘れてしまうと結構厄介なことになります。

奥部分が十分に接着されていないとロッドを振った時にカチカチを音がします。

個のカチカチ音はFemale側とスピゴットのテーパーが一致してない場合にも発生します。

接着剤不足の場合には接着剤を供給捨て場問題ないのですが、接着剤硬化後に接着剤不足が判明した場合には、接着剤を必要箇所に供給することは至難の業となってしまうのです。

 

スピゴットの接着を行なう機会はあまりないと思うのですが、覚えておいても良いかと思います。

さて、もし接着剤硬化後に接着剤不足が判明した場合にどうするか?

その場合は、不要なブランクのTip部分をストローとして活用するのです。

接着剤を薄め液で粘度を落として、その接着剤にTipをつけて、吸い上げて、ブランクスのお尻側から差し込んでスピゴット部まで挿入して、接着剤を吹き込んでやるのです。

粘度の低いい接着剤は片側0.05mm程度の隙間に毛細管現象で浸み込んでいきますので、硬化までしばらく待っていると良いのです。

薄め液で薄めているので、揮発する溶剤成分が多いので、少し多めに接着剤を供給してあげることが重要です。

 

余り普段の生活で活用する機会は少ないとは思いますが、覚えておくと何時か役に立つかもです。

 

と言うことで、私のグラスロッドはブランクの切断、スピゴットフェルールの切り出し、テーパー加工、接着、すり合わせ等々まで手掛けているので、結構手間がかかっているのです。