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HARDY PERFECT 3 3/4

HARDY PERFECT 3 3/4のノブの修理依頼がありました。

依頼品にはノブが付いていたのですが、このノブはプレートにカシメられており、ハーディーリールによくある通称ザブトンが無く、ノブがシャフトに対してガタツキが大きい状態になっていました。

 

とりあえず、このノブを取り外します。

裏面からカシメられているので、裏面にドリル穴加工して、カシメを潰していきます。

徐々にドリルサイズを大きくしていき、φ3mm程度のドリルで穴あけしたらシャフトが抜けました。

 

オーナーはザブトンが欲しいのと、ノブは鹿角で加工して欲しいとのご依頼でした。

さて、抜いたシャフトの圧入部分の径を測定するとφ3.64mmでした。

プレート側には僅かにネジ加工跡が確認できます。

この穴を下穴としてタップ加工するとすれば、M4程度のタップなのですが、折角なのでインチねじで加工しようと思います。

インチねじとなるとUNC-No8(5/32)になると思います。

タップに何しては手持ちがあったので、プレートにそのままタップ加工を行ないました。

 

さて、オネジに関してはダイスの手持ちがないので、オネジの加工が必要です。

NC旋盤でネジ加工を行なうにはG76を使用して数行で加工プログラムの作成は出来るのですが、使用するねじ切りバイト形状によって切り込み量の設定が異なり、切り込みが小さいと上手くネジが入らず、切り込みが大きすぎると締結力が低下するという問題がありますので、何本かテスト加工を行ない、ネジ加工条件を抽出します。

2本ほど加工してみたらジャストフィットする条件が見つかりましたので、ザブトン加工、メタルコア加工、ネジ加工を行ないました。

 

ノブは鹿角との指定がありましたので、鹿角を加工していきます。

おおよその形状まで旋盤でバイト加工して、その後サンドペーパーで微妙なR形状を調整していきます。

#240,#400,#800,白棒,青棒,#8000程度まで研磨すると指先に吸い付くような感じになります。

 

リール本体に取り付けて、完成です。

オールドパーフェクトリールにはアイボリーの鹿角が良く似合います。

 

今回の修理は、ザブトン、ネジ、メタルコア、鹿角ノブの4点の加工です。

通常のノ修理よりも材料径が大きい事、ネジの加工が必要だったこと等々で少し値段UPしており、合計5940円となりました。

 

#3程度の小さなリールのノブ修理の場合はもう少し価格を抑えることが出来そうです。

ハッキリ言いますが、リールの修理は儲かりません。今回の修理価格5940円ですが、修理に掛かった時間給で換算するとこの価格の3倍程度になるのですが、その値段を提示して、修理依頼を踏み留まることがあってはならないと思っており、最低限の価格で修理を引き受けております。

 

自分のリールを作る時間を増やした方が良いとは思うのですが、困っているフライマンのため、修理技術をアピールするためのコマーシャル活動の一環として、取り組んでいます。

 

自分の知り合いになんでも修理してくれる都合の良い人がいるのはありがたい事だと思うので、私がフライマンにとって都合の良い人に成れればと思っています。

 

勿論できない修理もございますが、とりあえず相談いただければ全力で修理できるよう知恵を絞っていきます。

 

本業のリール、ロッド、Goodsのほうもよろしくお願いいたします。

これからは来年のハンドクラフト展に向けて、商品の加工で忙しくなります。

お気に入りの道具で解禁を迎えるためには、今の時点で不具合の修理をお勧めいたします。

 

修理依頼の際には、不具合個所の写真をもとに相談していただけるのがベストです。

各種SNSやメール等に写真を添えてご相談ください。

直ぐに回答いたしますので!