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Photograph

SNSなどに投稿されている写真は時として残酷に意図した以外の情報を開示してしまうことがあります。

そして、それが結構マイナスなイメージを植え付けることがあるので注意が必要です。

 

最近はバンブーロッドを自作する人が増え、何本かロッドを作った後に作製したロッドを安価で売って、自称バンブーロッドメーカーというかプロと勘違いしている人も多いです。

自称なので、プロと名乗れば簡単にプロにはなれるのでしょうが、実際にバンブーロッドだけで飯が食えているのはほんのひと握りだと思うのです。

 

また、最近は大陸から自称プロビルダーと言っている人の投稿を目にすることがあります。

その人の作っているバンブーロッドの写真には、プレーニングフォームとプレーンで削った薄いカンナくずが写っていました。

プレーニングフォーム表面はさび付いており、そのカンナくずは短く、ガサガサなのです。

如何に切れの悪い刃を使用してカンナ掛けをしているのかが一目瞭然なのです。

そして、バンブーロッドの加工精度を一番左右するプレーニングフォームが錆びだらけでは、目標とするテーパーで仕上げることは出来ません。

写真を拡大してブランクの接着面を観察すると接着層が厚く見える部分があるのです。ゴミを噛んで接着してしまっているのです。

安かろう悪かろうのおおバンブーロッドが欲しい人っていますか?

ましてやトラウトを釣らずしてトラウト用のロッドを作るのは..............。

やはり日本人が使うロッドは日本人が釣りをして、色んなテーパーを試してフィードバックを重ねて作りあげたロッドを使ってもらいたいと思うのです。

 

日本の自称ビルダーも同様です。

ラフプレーンはミリングマシーンで楽をしています。

という投稿と共に紹介されているブランクは節の前後で曲がっているのです。

ミリングマシーンを使う、使わない以前に、荒削り前にしっかりと曲がり直しをするのは基本中の基本なのです。

 

最近ではネットを少し検索すればバンブーロッドビルディング方法は山のように出てきますが、

勘所というかノウハウまでは吸収できない状態で、自分のやり方が正しいと勘違いしている方も多いようです。

 

プレーニングフォームで仕上げ削りをしている動画をUPしている人もたくさんいますが、プレーンで削っていくと削っていない部分がフォームから大きく浮き上がっているのです。

その現象は、曲がり直しが不十分のまま私は仕上げ削りをやっています!と宣言しているようなもので、いい加減な曲がり直しから、精度の良いロッドは生まれません。

曲がり直しがそのロッドビルディングを左右するのです。

 

ブランクの接着後に錘を付けてブランクを矯正していますと言った写真も見かけるのですが、ブランクの対面の中心に錘の中心が来ているのであれば良いと思うのですが、単に錘をぶら下げているようで、そうなるとブランクに対して変な応力を加えながら硬化させているようなものなので、変に応力を加えるくらいならそのまま硬化させた方が良いと思っています。

 

まだまだ、理解に苦しむプロセスを実行されている人がたくさんいます。

見よう見まねで作業するのではなく、この作業は何のためにに必要な作業なのか?そしてこの作業の一番重要なところとはどこなのか?そのためにはどこに注意する必要があるのか?

そういったことを自分自身で考えてプロセスに落とし込んでいなければ、いつまでたっても良いモノづくりは出来ません。

 

自己流が悪いのではありません。

自分なりに考え抜いた自己流なのであれば良いと思いますが、動画ではそうやっていた。とか、あの本にはそう書いていたと言った情報を鵜呑みにするのは良くありません。

 

バンブーロッドビルディングは沢山のプロセスがありますが、最初の方の単調な曲がり直しや、火入れなど、単に数値だけでは表せられないところほど重要です。

 

最後に自称プロビルダーの人に聞きたいのは、そのテーパーでロッドを作製したのは何故?と問いたいです。

明確な意図があってのテーパーだと思うので、その意図と、それを反映したそのバンブーロッドの理想的なキャスティングを見せて頂きたいものです。

キャスティングがまともにできない人がバンブーロッドビルディングをやっていては本末転倒ですから。

 

写真には色んなものが写っていますよ!