「恋するフォーチュンクッキー」と言う曲が以前流行りましたが、Fortuneとは「運」とか「福」」と言う意味だそうです。
福と言えば、残り物には福がある!
そう、リール加工時の余剰パーツをかき集めて残り物リールを作製しようと思ったのです。
2/16からのハンドクラフト展に何か興味深いものを展示したいと思案していた時だったのでこの残り物パーツともう少し何かインパクトのあるものにしたいので、考えておりました。
両軸リールでしかできないモノ、構成で考えていたら、以前一度だけ加工したことのあるリールが頭をよぎり、これで進めようとなったのです。
リールのパーツの中で、ペアで加工するものが幾つかあります。
フレームだったり、フェイスプレートだったり、スプールだったり、これらの加工を行なう際に、ペアにならずに1個だけ失敗したりすることがたまにあるのです。
同時加工しないと精度を出せないパーツもあるので、どうしても残ってしまうパーツが出来てしまいます。
そんなパーツを上手く活かせたらと思いサイズ感の似ているBuddyリールとBlisterリールの残りパーツを探し出して、組み上げを開始しました。
当然新たに加工しないといけないパーツもあるので、組み上げては加工を行なうことを繰り返しながら進めていました。
フレーム材はBuddyリールのジュラルミンとブラスのペアになり、スプールはBuddyリールとBlisterリールのペアになりました。
フェイスプレートは、Buddyリールのエボナイトとバイメタル用のジュラルミンを採用しました。
インパクトにある構成として、両軸リールでしかできない左右ハンドルのリール構成にしたのです。
フライマンの間では、リールの右巻き、左巻きが良く議論されます。
利き手側でハンドルを回すほうが素早く巻き取れる。とか、利き手とは逆の手でハンドルを回した方がロッドを持ち替えなくていいので効率的だとか、、、
この両手巻きリールであればどちらでも巻けるので気分に合わせて巻くことができます。
個人的にはフライフィッシングのインストラクターの方に使って欲しいのです。
私は左手でハンドルを回すのですが、たまに借りたロッドが右巻きだったりすると少し戸惑います。
インストラクターは自分のロッドでレクチャーすることが多く、またそのロッドで生徒さんを指導することも多いと思うのですが、例の巻き手の問題があり、戸惑うことがあるからです。
インストラクターがこのリールを使用すれば、生徒さんは戸惑うことなくレッスンを受けることができるのです。
とまあ、勝手なことを書きましたが、このリールであれば、トラウトと一緒に写真に収める時に、エボナイト側にすれば、シルバーフレーム+エボナイトの定番レイズドピラーリールとなり、反対側にすれば、Bi-Metalの光沢鮮やかなクラッシックでモダンなリールとなります。
いづれにしても径の小さなレイズドピラーリールは、相対的に魚体を大きく見せることができます。
私は小さなレイズドピラーリールが大好きなのです。
残りパーツを寄せ集めて作製したリールですが、この両ハンドル仕様にすることで、実際にはコストアップしており、特別な依頼がない限りこのようなリールを作製することはまずありません。
ハンドクラフト展で展示予定です。気に入って頂ければ購入可能ですよ!